

【あらためて科学絵本】
8月。夏休みでしょうか?銀座ショールーム“奥野ビル”の窓からもご家族と思われるお子さん連れの方々をよく見かけるようになりました。時間もたっぷりあるようで、あっという間に過ぎていく夏休み。どのように過ごされるのでしょうか?ふと、春に国立科学博物館で開催されていた、生誕100年を迎えた「かこさとしの科学絵本」の展覧会を思い出しました。子供のころというよりも、むしろ大人になってから興味深く読むようになった気がします。もちろん絵のタッチも大好きで、難しい内容も分かりやすく、気楽に眺められるところが大好きな絵本たちです。
かこさとしさんは生涯600冊を超える作品を出版された絵本作家です。『だるまちゃんとてんぐちゃん』や『からすのパンやさん』などの童話作品が人気ですが、手がける絵本分野は幅広く、工学博士と技術士の資格を持ちながら多くの科学絵本も制作され、日本の科学教育の発展に大きな役割を果たす先駆けとなった存在なのです。
日本における科学絵本の出発点のひとつは、明治元年(1868年)に福沢諭吉が洋書を日本人向けに翻訳した『訓蒙窮理図解』(くんもうきゅうりずかい)といわれています。近代化を進めるために、子供たちに科学知識を普及しようとした物理学の入門書です。そして「科学絵本」という表記は、1937年創刊の『小學科學繪本』が最初といわれ、その後『キンダーブック』など観察絵本などが発行されています。
かこさんは科学絵本を読めば、才能がぐんぐんと伸びるわけではないと話されています。科学の面白さは、初めはチロチロとした小さな火であっても、次々に燃え広がり、やがて大きな炎となって広がり、“ゆっくりと間接的に、そして必ず役立つもの”。それがかこさんの考える科学絵本です。ひとりひとりが聡明さを求めて誠実に努力を積むことが、心も体も幸福で豊かな生活を守ることにつながるとも書き残されています。
思い返すと、自分の息子にも『かがくのとも』という科学絵本を定期購読し、「もしかしたら頭が良くなるかも~」という下心を持っていましたが、かこさんの想いを知ると、学ぶという気持ちは、大切に大切に育っていくものなんだなと改めて感じます。そして何よりも、画家の方が作る科学絵本は見た目にもキャッチーで楽しく、かたい知識だけの文面にほっこりと彩りを与えてくれ、絵で覚えることができる!まさに最強だと感じています。
科学の知識は日々進歩していくため、児童文学のように時代を超えて読まれ続けることは稀ですが、活躍する科学者たちにもお気に入りの1冊の科学絵本があるのです。この夏、お子さんだけでなく大人の読書としても、ぜひ科学絵本を手にとってみてください。またその先を覗いてみたくなる“わくわく”があるかもしれません。
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html
参考資料
生誕100年記念 「かこさとしの科学絵本」図録
https://kakosatoshi.jp
https://www.kahaku.go.jp/tenji-event/nid00001839.html
https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/collection/features/digital_showcase/037/index.html