


【つつむ、むすぶ】
普段持ち歩くエコバッグを風呂敷にしてみてはどうか、とふと思い立ちました。というのも、先日出会った方が風呂敷愛好家とのことで、いろいろな大きさの風呂敷をかばんにしたり、本や小物を包んだりと、多様に風呂敷を使いこなしていたのを見たからです。
もともと布が好きなので、テーブルクロスになりそうな大判の布からショールや手ぬぐいなどまで、布ものは比較的たくさん持っているほうです。風呂敷もサイズ違いで、すでに数枚持っていました。なので、使い方のあれこれを教えてもらったこのタイミングで風呂敷ライフをいっちょ楽しんでみるか、と思ったというわけです。その後、参考までにと三条ショールーム近くにある風呂敷の専門店を覗いてみたのですが、豊富な品揃えに圧倒され、時間を忘れてつい見入ってしまいました。ハンカチサイズのものからテーブルクロスになるものまで、大きさはもちろん、柄や素材のバリエーションも実に多彩で、目移りしてしまいます。
吟味した結果、自分用に大判のものをサブバッグもしくはエコバッグにするつもりでひとつ、知人への贈り物にお弁当包みやブックカバーにもなりそうな手軽な大きさのものをひとつ、選びました。すでに自分は持っているのに?いいえ、風呂敷はかさばりませんので…!
さて、考えてみれば、風呂敷はとても便利な布です。形状を問わずものを包めるのはもちろん、端を結べば袋ものとしても使えますし、そのほかにも敷物として広げたり、ひざ掛けにしたり、中のものが見えないように目隠しにしたりと、さまざまな用途に使えます。古くは「衣包み」「平包み」などと呼ばれ、その名のとおり衣類などを包むのに使われていました。
「風呂敷」の呼び方は、風呂で着替えのために敷いたり、衣類や入浴道具を包む布として使われたことから定着していったようです。その後、贈答品を包んだり、食べ物を運ぶのに使われるようになりましたが、紙袋やビニールのレジ袋などが一般化して、風呂敷の需要はだんだんと衰退してしまいます。
が、ゴミを出さないアイテムとして再び注目を集め、エコバッグとして活用されるなど、国内外で風呂敷がまた見直されつつあるようです。先ほどの風呂敷専門店も、国内から海外の方まで多くの人でにぎわっていました。撥水加工された風呂敷などもあり、雨よけにも使えそうな便利なものも。畳めば小さくコンパクトになりますし、使い道は広がりそうですね。
エコバッグとして使うには結ぶのが最初はコツが要りそうに思えますが、簡単にかばんにできるような便利なアイテムも今はありますし、気軽に楽しめる気がします。何より工夫次第で用途が幅広いのが個人的には嬉しくて、使わないのはもったいないかも、くらいの気持ちです。
そんなふうに時を経て今また見直されている風呂敷ですが、一枚の布でありながら、包むものや使う人の工夫によっていろんな姿に変化するところに、その魅力があるように思います。「つつむ」「むすぶ」という所作の中に、ものを大切に扱う心や暮らしの知恵が息づいているのも忘れたくありません。日本の伝統文化のひとつとして、これからも身近に使い続けていきたいものです。
ショールームのご案内
https://www.shokunin.com/jp/showroom/
むす美
https://www.musubi-online.com/f/shoplist
参考資料
https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/A-10569-2661 (ColBase)
https://ja.wikipedia.org/wiki/風呂敷