



【コロッケ物語】
大正時代の三大洋食はとんかつ、カレーライス、コロッケ。コロッケは意外にも、とんかつやステーキよりも高級な料理だったともいわれています。身近な惣菜のひとつであるコロッケですが、そのルーツは西洋料理にあります。
コロッケは、フランス料理の「クロケット(croquette)」を起源とする洋食で、19世紀末から20世紀初頭に日本へ伝わりました。明治時代に西洋料理として紹介された当初は、高級料理だったとされています。日本でのコロッケはじゃがいもとひき肉が代表的なものですが、もともとのクロケットは、ベシャメルソース(ホワイトソース)や牛肉、魚介類などを用いて作られ、衣をつけて揚げた料理でした。大正時代になると、安価なじゃがいもを使ったものが広まり、呼び名の変化とともに一般の家庭でも親しまれるようになりました。
コロッケといえばお肉屋さんを思い浮かべる方も多いかもしれません。その背景には関東大震災後の東京があります。銀座の精肉店「チョウシ屋」は、洋食店の料理人だった阿部清六が開業した店として知られています。精肉店ではひき肉や脂(ラード)を有効活用でき、さらに安価なじゃがいもを組み合わせることで、揚げたてでボリュームのある惣菜を手頃な価格で提供できました。こうした工夫により、コロッケは肉屋の定番商品となり、大衆食として広がっていったのです。今では日本料理として、海外でも「korokke」などと表記される世界語になりました。
昭和2年創業のチョウシ屋は、現在も銀座で営業を続けています。名物のコロッケパンはコッペパンと食パンの2種類があり、ハムカツやメンチカツ、カツサンドも人気です。また、立ち食いそばの定番となっている「コロッケそば」の発祥については、明治18年創業の銀座の老舗そば店・よし田(2025年閉店)とする説があります。銀座には当時の最先端の文化が集まっていたことが興味深く感じられます。
ところで、「台風コロッケ」をご存じでしょうか。これは台風の接近時にコロッケを買って食べるというインターネット文化で、2000年代初頭に2ちゃんねるの投稿をきっかけに広まりました。その後Twitterを通じて定着し、台風が近づくたびに話題になる風物詩のような存在となっているようです。これからの台風シーズン、コロッケを食べてお家時間を過ごしてみるのもいいかもしれませんね。
銀座3丁目のチョウシ屋は火~金曜日の営業です。金曜日に、銀座1丁目・奥野ビルの当店銀座ショールームを併せて訪れ、昭和の面影を感じてみてはいかがでしょうか。
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html
元祖コロッケ チョウシ屋
https://maps.app.goo.gl/FwMG8hMuLRSF9Fdf7
コロッケ丼(記事)
https://jp.shokunin.com/archives/52019272.html
参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/コロッケ
https://shinise.tv/choshiya-ginza/
https://www.plenus.co.jp/kome-academy/roots/public.html