S__330285059

S__330285060

S__330285061

S__330285062

S__330285063

S__330285064

S__330285067

S__330285068

S__330285069

【小樽を歩いて、レンガを読む】

小樽の街を象徴するものの一つが、数多く残る歴史的建造物です。現存するものの中では、石材を用いた木骨石造建築が有名ですが、時折見かける赤褐色のレンガ建築も、街並みの美しいアクセントになっています。レンガ造りの建物の多くは、木骨石造建築が普及する以前に建てられたもので、明治初期の小樽の急速な発展を支えた歴史遺産でもあります。

おもしろいのはレンガの積み方によって時代や特徴が違うこと。代表的なものに「フランス積み」と「イギリス積み」があります。フランス積みとは、レンガの長い面と短い面が同じ段で交互に現れる積み方で、見た目が非常に美しく、整った印象を与えます。ただ、施工には手間がかかり、多くのレンガを必要としました。

対してイギリス積みは、「長い面だけの段」と「短い面だけの段」を交互に積む技法です。強度が高く、倉庫や工場などに多く用いられました。明治中期以降はより頑丈で効率的なイギリス積みが主流となります。

美しい見た目を持つ一方で手間のかかるフランス積みは、明治初期の限られた期間に施工されたため、現存する建築物はとても貴重です。世界遺産として知られる、群馬県富岡市の富岡製糸場のレンガ壁も美しいフランス積みで造られています。

小樽には、二つの技法を一度に見比べられる場所があります。それは、小樽市総合博物館内にあるレンガ造りの機関車庫です。博物館内には1885年(明治18年)竣工のフランス積みの機関車庫と、1908年(明治41年)竣工のイギリス積みの機関車庫が並んでいます。どちらも国指定重要文化財ですが、現役で使用されており、石炭輸送によって日本の近代化を支えた鉄道の歴史を今に伝えています。

レンガ建築一つをとっても、この街は古くから外国文化を取り入れ、さらに洗練させながら大切に守り続けてきたのだと感じます。街もまた、レンガを重ねるように歴史を重ね、その積み重ねこそが小樽ならではの趣きを生み出しています。

次に散策する際には、「フランス積み?それともイギリス積み?」と歴史の探偵になったつもりで建物の細部も観察するのも楽しいかもしれません。また、歴史ある建物を巡ったあとは、小樽ショールームにもぜひお立ち寄りください。過去へタイムスリップしたような店内で、街の歴史や魅力をさらに感じていただけるかと思います。

小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html

参考資料
https://www.city.otaru.lg.jp/docs/2020111400146/
https://www.tomioka-silk.jp/_tomioka-silk-mill/guide/building.html