


【にんにくについての話】
皆さんのお好きなにんにくの食べ方はありますか?私は生にんにくのスライスを、かつおの刺身と合わせて食べるのが好きです。にんにくの刺激的な辛味を生かした食べ方だと思います。
この辛味やにんにく特有のにおいは、「アリシン」という有機硫黄化合物で、刻んだり潰したりすると、アリインと酵素アリイナーゼの反応によって生成されます。アリシンは、細胞が壊れることで生成され、すりおろしたり、刻んだり、潰したりするほど反応が進み、その量も増えるそうです。
このアリシンには、抗菌作用や血流改善作用などの効果があると知られており、疲労回復やスタミナ維持に関わるビタミンB1の働きを助けるともいわれています。一方で、アリシンは熱と水に弱く、高温で長時間煮るとスープなどの中で徐々に分解され、血流改善や抗微生物作用などの効果が低下します。
アリシンを効果的に摂るには、すりおろしや潰したあとにしばらく置いてから食べると、酵素反応がより進んで効果的とされています。加熱する場合は、油で短時間炒めると油中に溶け込ませて分解を抑えられるため、比較的有効のようです。漢方では、にんにくは「大蒜(たいさん)」と呼ばれ、滋養強壮や冷え対策、食欲不振時などに用いられており、日本では古くから「薬用植物」として風邪や疲労回復の民間薬として重宝されてきました。
にんにくの名前の由来として、仏教の「忍辱(にんにく)」説があります。忍辱とは、苦しみや侮辱に耐え忍び心を動かさないことを意味しています。仏教では、においの強い五種の野菜を「五葷(ごくん)」や「五辛(ごしん)」といい、これを食べると情欲・憤怒が増進するとして、僧侶たちは食べることを禁じられていました。五葷の一つであるにんにくを、僧侶たちが隠れて食べたことから、「忍辱」の語が隠語的に用いられたといわれています。
『源氏物語』の中では、「極熱の草薬を服していますので口辺に臭気があり、お会いできません。ご用は承りましょう」という一文が出てきますが、この「極熱の草薬」はにんにくを指すと考えられています。平安時代にすでに薬として用いられる一方、そのにおいが社交の場では気遣いの対象でもあったことが伝わってきます。
中国や韓国では、にんにくが日常的に多く消費されており、食文化として日常的に消費されているため、においについても比較的お互いさまという寛容な文化があるようです。一方、日本人にとってはイタリア料理に欠かせないイメージのあるにんにくですが、イタリアでは風味づけとして使われ、料理によっては香りだけ移して取り除くこともあります。
エチケット方法としては、次のようなものが挙げられます。牛乳・ヨーグルト・チーズ(食前・食後)は乳タンパク質と脂肪がアリシンを包み込み、においが和らぐとされています。リンゴ・リンゴジュース(食後)はリンゴポリフェノールがにんにく成分と結びついて揮発性のにおいを減らす効果が期待されます。緑茶・ウーロン茶・コーヒーは、ポリフェノールの消臭・中和作用で口臭をやや抑えるのに効果的です。水をこまめに飲む、ガムや歯間ブラシの活用も、口の中を乾かさず、食べカスを減らすことで短期的に口臭を軽くできます。
香りと味だけでなく、文化と歴史が詰まったにんにく。においのエチケットを上手に取り入れながら、健康的に楽しんでいきたいですね。
fresco kasumi plate S
https://www.shokunin.com/jp/fresco/kasumiplate.html
参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/ニンニク
https://gella-farm.com/blog/allicin
https://ja.wikipedia.org/wiki/禁葷食
https://kotobank.jp/word/極熱の草薬
https://nozaki-kanpou.com/食べ物の細目/食養生の基礎%e3%80%80ニンニク(大蒜たいさん)
https://media.moneyforward.com/articles/3142
https://www.orthobios.com/Page/Feature/2303-1.aspx