








【1本の糸ができるまで】
職人.com若松ショールームのある北九州には、北九州市立自然史・歴史博物館「いのちのたび博物館」という大きな博物館があります。壮大な生命の進化や人類の歩みを体感できる場所で、県外からも多くの人が訪れています。地元が北九州の私にとっては、とても身近なミュージアム。ときには、お散歩のような気持ちで足を運ぶこともあります。つい先日もそんなふうにふらりと訪れたのですが、ちょうど“糸を作る体験”が行われていて、思いがけず息子と一緒に初めての体験をすることができました。
「綿(わた)って何からできているでしょう?」というガイドさんの質問に、「綿は綿でしょ」「布団」「座布団」「ひつじ」と、子どもたちの珍回答が飛び交っていました。糸や布となって、生活の中に当たり前にあるからこそ、逆に想像がつかなかったのでしょうね。綿が植物であること。綿には白い花が咲くこと。ハイビスカスやオクラの仲間であること。綿として利用される白い繊維は、種の周りを覆っていて、取り除かなければならないこと。そんな説明をひととおり聞き終えたころには、子どもたちはとても真剣な眼差しになっていました。
実際に、まだ種が残っている綿を自分の手で取ろうとすると、これがなかなか難しい。種がこびりついているような感じです。そこで登場したのが、“綿繰り機”。ハンドルを回すとローラーが回転し、綿から種を取り除き、綿と種を分けることができる道具です。実際に体験してみると、そのスムーズさに感動しました。これを発明した人は天才だ!と子どもたちも大いにリスペクトしていました。
けれど、それでもまだ、糸でも布でもありません。種を取り除いた綿の繊維をほぐし、糸車で繊維を細く伸ばして糸にしていくこと。色を付けるなら、さらに染めること。そこからようやく糸を使って、はた織機にかけたり、縫い物ができるのだと教えてくださいました。膨大な手間ひまがかかることを知った子どもたちは、もうぐったりとしていました。私はその話を聞きながら、若松ショールームに今並んでいるINDIGO CLASSICのストールやハンカチを思い出していました。
「それだけ手間がかかってできた服だからね。昔の人は1枚を大切に、何度も何度も長く着たのよ。綿の種、育ててみたい人?」「はい!」「はい!」「はい!」さっきまでぐったりとしていたのに、子どもたちは次から次に元気に大きく手を挙げていました。綿の種は5月から6月に植えると、秋ごろに収穫できるそうです。息子の持ち帰った種は、芽となり、綿となるのでしょうか。
帰ってから、私も自分のクローゼットを見つめました。しばらく着ていない服もあります。昔と今では違うこともたくさんありますが、“知ること”“想像すること”で、意識の変化が生まれるのかもしれません。当たり前にあるものの中に、重なっている時間があります。ぜひショールームでもたくさんの商品を、実際に触れて感じ、想像を膨らませていただけたらと思います。
INDIGO CLASSIC ストール
https://www.shokunin.com/jp/indigo/stole.html
INDIGO CLASSIC ハンカチ
https://www.shokunin.com/jp/indigo/handkerchief.html
若松ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/wakamatsu.html
いのちのたび博物館
https://www.kmnh.jp/