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【アサヒグループ大山崎山荘美術館】

京都駅から電車で約15分のところにある、自然、建築、美術が調和した「アサヒグループ大山崎山荘美術館」は、2026年春に開館30周年を迎えます。

アサヒグループ大山崎山荘美術館は、実業家・加賀正太郎によって建設された「大山崎山荘」の保存再生と活用を目指して、安藤忠雄氏設計の新館を加え、1996年(平成8年)に開館しました。加賀氏自らが建物や庭園の設計に携わり、1912年(大正元年)に建て始め時間をかけて完成させた山荘は、大正から昭和初期の洋風山荘建築としての文化的価値も高く、2004年(平成16年)には、美術館本館をはじめとする建造物が国の有形文化財として登録されています。

加賀氏の没後、加賀家の手を離れた大山崎山荘は荒廃寸前となり一時は取り壊しの危機にまで直面しましたが、貴重な山荘の保存と周囲の自然保護を求める声が多く上がりました。加賀氏はニッカウヰスキーの設立にも参画しており、アサヒビール株式会社の初代社長であった山本爲三郎(ためさぶろう)と同じ財界人として深い親交があったことから、地元の有志、京都府、大山崎町、アサヒビール株式会社が連携したことによって、アサヒグループ大山崎山荘美術館は生まれました。

アサヒグループ大山崎山荘美術館の魅力は、そのような歴史が詰まった建築や、およそ5500坪の広大な庭園だけではありません。アサヒグループ大山崎山荘美術館の所蔵品の中核を成すのが、美術館開設に際して寄贈された印象派の巨匠モネの《睡蓮》連作や、柳宗悦らが提唱した「民藝」運動ゆかりの名品などの山本爲三郎コレクション。山本氏は、民藝運動への支援に熱心に取り組み、大阪の船場に生まれた「大阪人」の実業家として「大阪ロイヤルホテル」(現・リーガロイヤルホテル大阪)の設立や「リーチ・バー」の開設を実現した人物でもあります。山本爲三郎は、現代まで民藝というものを伝え、広めた立役者とも言えるのではないでしょうか。

昨年、初夏にアサヒグループ大山崎山荘美術館を訪れました。大山崎の豊かな自然の中の山道を登っていくと山荘が現れ、静かな空気が流れる館内では、楽しみにしていた民藝などの美術品の鑑賞もさることながら、重厚で優美な建築の中を歩くだけで心が潤いました。喫茶室のテラスは、遠くまで広く見晴らせる贅沢ビュー。喫茶室内にも民藝品が多く展示されているため、ぜひ欠かさずに利用していただきたいです。景観を保つため半地下構造となっている安藤忠雄氏設計の地中館「地中の宝石箱」への通路はガラスで覆われており、庭園を眺めつつ下ると、モネの《睡蓮》が視界に広がります。常設のため、睡蓮を落ち着いてゆったりと見られる貴重な場所だと感じました。

30周年という節目を記念して、現在、アサヒグループ大山崎山荘美術館ではコレクションの核である「民藝」と「モネ」にスポットを当てた2つの展覧会「山本爲三郎・河井寬次郎没後60年記念 共鳴 河井寬次郎×濱田庄司 ―山本爲三郎コレクションより」(2026年3月20日~2026年9月6日)と「没後100年 クロード・モネ展」(2026年3月20日~2027年4月11日)が開催されています。例年6月~8月ごろには、アサヒグループ大山崎山荘美術館の庭園にモネを想わせる睡蓮の花も咲き誇ります。初夏にかけてのさわやかな季節、またあの美しい庭園と美術、建築、空気をまるごと味わいに、あの地を訪れたいなと夢見ています。

アサヒグループ大山崎山荘美術館
https://maps.app.goo.gl/yHMsNVqv66FekTmT9
大山崎山荘美術館 喫茶室
https://maps.app.goo.gl/vAsvwu43YktiginH6
ショールームのご案内
https://www.shokunin.com/jp/showroom/

参考資料
https://www.asahigroup-oyamazaki.com/
https://bijutsutecho.com/magazine/news/exhibition/32252