


【辻和金網の落とし蓋】
煮物を作るとき、落とし蓋はお使いでしょうか?日本の台所ではおなじみの道具ですが、改めて考えてみると、なければないでそう困らないような気もする反面、そのひと手間があることで、料理がおいしくなる魔法をかけているような気もします。
落とし蓋の役割は、大根や里芋、かぼちゃなど、鍋の中で浮いてくる食材をやさしくしっかり落ち着かせること。そして鍋の中の煮汁を巡らせることです。しっかり煮汁に浸かることで均一に火が通り、煮汁が循環することで味がなじみます。日本の煮物は少ない煮汁を行き渡らせながら素材に味を含ませていくので、落とし蓋は控えめな存在のようで役割はとても大きいです。鍋の中で生まれる流れを妨げないよう鍋に沿った丸い形になっていたりと、煮物料理の理にかなった道具です。
昔からよく使われている木の落とし蓋は、軽くやわらかな当たりが特長です。現在では、金属製の落とし蓋も多く見られ、辻和金網の落とし蓋もその一つです。
辻和金網は、京都の金網の伝統を受け継ぐ専門店として、家庭や料理人の愛用する道具で長年親しまれている老舗です。ステンレスの細い針金で編まれた網目は、食材に面ではなく点で当たります。網目になっていることで、煮汁の対流を保ちながら食材だけをそっと押さえてくれます。ステンレス製のため簡単に洗うことができ、料理を変えて使ってもにおいが残らず、気兼ねなく使えて大変重宝します。そして、中央に小ぶりな持ち手があり、付属の棒で輪っか部分を引き上げられるのですが、どこかお祭りのヨーヨーすくいを思い出し、料理中にほんの少し楽しい気持ちになるはずです。
辻和金網の落とし蓋は、素朴な形が生み出す働きで、煮物の仕上がりをぐんと格上げしてくれます。使い続けるうちに、いつの間にか手に取っている、なくてはならない存在になることでしょう。
辻和金網 落とし蓋 中
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