

【インドネシアの気になるお菓子】
インドネシア土産によく頂戴するお菓子があります。もちろん日本では食べたことがなく、いつも不思議な気持ちになりながら有り難くいただきます。それは“ブレム”と“ウンピン”というお菓子です。
インドネシアは日本の約5倍もある国土に多民族が暮らす国です。たくさんの島によって構成されており、さまざまな信仰宗教や民族習慣もあり、気候風土や文化、採れる食材も各地域によって異なります。基本的には米が主食で、暑い地域なので食欲を維持できるよう香辛料を使ったり、甘辛な味付けの料理も多く、個人的な印象ですが日本人もおいしく食べられるお料理が多いのではないかと思います。豆や野菜、発酵食品もよく食べられています。
そんな食文化のインドネシアで昔から食べられている、ちょっと興味深いお菓子をご紹介します。まずは“ブレム”です。こちらはもち米を発酵させたときに出る絞り汁を乾燥させて作られたものです。出来上がりは、白色や薄黄色の薄い円板や板状の固体で、ポリポリと割りながら口に入れるとサッと溶ける不思議な食感。ほのかな甘み・酸味・少々のアルコールの香りが特徴です。見た目は日本の落雁のようですが、そこまで甘味が強いわけでもありません。まるでラムネのようにシューッと溶けるような、なんとも不思議な気持ちになるお菓子です。いつも口に含んだあと、「これはなんだろ〜」と遠くを見つめてしまいます。パッケージも素朴なイラストで蓋を開けるとザックリと密封もされていないブレムが入っています。それがまたとてもとてもいい感じなのです。炭水化物(糖分)が高いため食べ過ぎには注意ですが、発酵食であることやカルシウムや鉄分も含まれるということで気になる存在です。
そして、今静かな注目を浴びているメリンジョという植物の種をつぶして揚げた“ウンピン”です。インドネシアを原産とするメリンジョは、年に2回どんぐりのような実をつけます。「生命の樹」と呼ばれ、家の庭先や畑の周りに、また街路樹としても植えられています。ジャワ島では一家を構えると必ずメリンジョの木を一本植え、その実や葉を食料として利用してきました。市場やスーパーマーケットにもメリンジョの実がパックに入ったものが売られていたり、一般的な野菜として流通していて、うまみやコクを出すためにスープに入れたりもするそうです。メリンジョチップの“ウンピン”は昔からおつまみやスナック菓子として定番で、スーパーには塩味やスパイス、にんにく味などもあり親しまれています。結婚式では招待客にウンピンを出す習慣があり、ウンピンが出されると歓迎されていると感じるそうです。現地ではもはや特別感はなく、いつもそこにある、あって当たり前の存在になっていますが、今やそのメリンジョの種に含まれるレスベラトロールというポリフェノールの健康効果が注目されており、強い抗酸化作用や老化防止、代謝性疾患に対する研究も進められています。“ウンピン”はいわゆるスナック菓子のお味だけにとどまらず、今時のお味にはないほのかな苦味が後を引くのです。いろいろお話ししましたが、“ウンピン”はそんな効能や解説よりも前に生活に溶け込んでいる食べ物なのです。しかし、こちらも揚げ菓子なので、体に良いといっても食べ過ぎ注意です。
日本にも、遠いどんな国にも、昔から伝わる食材や食べ方がありますね。その当時は体に良いからとか健康になるからなどとは思わずに、親が食べていたから、いつもそこにあるから食べていたものも多いと思います。昔の人はそんなパワーを知っていたのか?現代科学の力でそのパワーが解明され、改めて伝えていく、伝わっていくことの凄さや大きさを感じます。
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html
参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/ブルム_(食品)
https://www.bee-lab.jp/material/index.html
https://himitsu.wakasa.jp/contents/gnemon-tree/
https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/seimei/20251126
https://www.bee-lab.jp/material/merinjo_4.html