








【藤田美術館とあみじま茶屋】
日本に3つしかない「曜変天目茶碗」のうちの1つを所蔵している、大阪・網島の「藤田美術館」。併設する茶屋では、開放的な空間で日本茶とお団子を楽しむことができます。
1954年に開館した藤田美術館のコレクションは、明治時代に活躍した実業家である藤田傳三郎と、息子の平太郎と徳次郎によって築かれました。傳三郎は、実業家であると同時に、若いころから両親に物数奇を戒められながらもその性質を変えられなかったほどの美術品愛好家でもありました。明治維新を機に、文化財の多くが海外へ流出したり、国内で粗雑に扱われたりすることに危機感を覚えていた傳三郎は、「この際、大いに美術品を蒐集(しゅうしゅう)し、かたわら国の宝の散逸を防ごう」と決意して蒐集に乗り出し、傳三郎親子によるコレクションは国宝9件、重要文化財53件を含む約2,000件という規模になりました。「これらの国の宝は一個人の私有物として秘蔵するべきではない。広く世に公開し、同好の友とよろこびを分かち、また、その道の研究者のための資料として活用してほしい」という想いから、藤田美術館は生まれたのです。
2022年にリニューアルオープンした藤田美術館。開館から2017年6月11日の施設老朽化による一時閉館までの藤田美術館の建物は、明治から大正時代にかけて建てられた藤田家邸宅の蔵を改装し、展示室として再利用したものでした。邸宅のほとんどを焼失した1945年の大阪大空襲で幸いにも延焼を免れ、中に収められていた美術品を守り抜いた蔵です。新たな藤田美術館もまた、これまで親しまれてきた“蔵の美術館”として、受け継いだ美術品を次世代へつないでいます。
曜変天目を一度見に行きたいと前々から思っており、京橋駅から少し歩いて訪れた藤田美術館。ガラス張りで白を基調としたエントランスに迎えられ、展示や鑑賞方法も含めて想像以上にモダンな美術館でした。案内されるまま、まずは入り口横のあみじま茶屋で一息。こちらでは、ワンコインでいただけるお茶とお団子のセットを。お茶は煎茶・番茶・抹茶の中から選び、かわいらしいお団子は醤油とあんこを各1本、その場で焼いてくださいます。休憩したら館内へ、スマートフォン上で作品の解説を見ながら周ります。曜変天目の展示時期ではなく残念ながら見ることができませんでしたが、楽焼などの茶道具や仏教美術など、静かな館内でゆっくりと鑑賞できました。
展示の最後は蔵へ、そして庭園へとつながり、美しい紅葉と共に茶室や「多宝塔」を眺めつつ散策を楽しみました。なんと、こちらは大川沿いの「藤田邸跡公園」にも隣接しており、そのまま公園へ抜けることもできます。藤田美術館から藤田邸跡公園、大阪散歩にもってこいのコース。次回は、曜変天目が公開される時期に、再訪したいと考えています。
藤田美術館
https://maps.app.goo.gl/fCfSF6hwPUK2x2bE6
あみじま茶屋
https://maps.app.goo.gl/nXn6sVBqTAEPJQM67
藤田邸跡公園
https://maps.app.goo.gl/sTA3WZ94fNJq3M5SA
ショールームのご案内
https://www.shokunin.com/jp/showroom/
参考資料
https://fujita-museum.or.jp/
https://www.museum.or.jp/report/106566