
【六花文庫】
札幌市南区真駒内の閑静な住宅街に、蔦で覆われた趣のある建物があります。それが「六花文庫」です。北海道を代表する菓子メーカー・六花亭が運営する私設図書館で、2004年に開館しました。もともとは六花亭の真駒内店だった建物を改装しており、創業者の小田豊四郎氏の理念「お菓子は文化のバロメーター」に基づく文化活動の一環として誕生した施設です。小田豊四郎氏は「その町の文化はお菓子でわかる」という考えを持ち、食文化を通じて地域に貢献することを使命としていました。私が子供の時はこちらの店舗へ買い物に来ていたこともあって、訪れるたびにとても懐かしく感じます。
六花文庫の設立目的は、北海道の食文化の発展に寄与すること。食に関する文献を収集・公開し、誰もが自由に閲覧できる場を提供することで、食の歴史や文化を次世代に伝えることを目指しています。運営は、六花亭が支援する特定非営利活動法人「小田豊四郎記念基金」によって行われています。この基金は、食文化の振興と児童の詩心を育む活動を目的に2003年に北海道より認証されました。館内では約8,000冊の蔵書が並び、レシピ本や料理エッセイ、食文化研究書、絵本や小説など、すべて「食」に関するものです。貸出は行っていませんが、館内で自由に閲覧できます。暖炉を囲むソファや木製のテーブル、肘掛け付きの椅子が配置された空間は、ページをめくる音だけが響く静寂に包まれ、時間を忘れて本に没頭できます。春は柔らかな陽だまり、夏は窓から差し込む新緑、秋は紅葉、冬は暖炉のぬくもり、四季折々の風景とともに過ごせるのも魅力です。もう一つの楽しみは有料で提供されているコーヒーです。最初の一杯には六花亭のお菓子が添えられています。コーヒーを片手に本を読む贅沢な時間、まさに「静かな喫茶室」と言えるでしょう。
六花文庫の本棚を眺めていると、あっ!この本持っている!と心が躍る瞬間があります。自分が持っている本があると、なんだか嬉しくなります。そして私は、レシピを見て出来上がりを想像したり、おいしそうな料理の写真を楽しんだり、文章で食の世界を味わうのも好きです。図書館のように本が貸し出されていないため、館内でほかの人が読んでいない限り、いつでも読みたい本が手に取れるのも魅力ですね。さらに、六花文庫では「六花ファイル」というアート作品も展示されています。小さな箱に収められた写真やイラスト、オブジェなど、多彩なジャンルの作品が並び、図書館でありながらギャラリーのような一面も持っています。これは2007年に始まったプロジェクトで、六花亭の文化活動の広がりを象徴するものです。
現在の開館時間は、月曜日・火曜日の11:00~16:00。入場は無料ですが、団体やおしゃべりには向かない静かな空間なので、一人でゆっくり過ごしたい方におすすめです。アクセスは地下鉄南北線真駒内駅から徒歩約13分、またはバスで「光塩短大前」下車徒歩1分です。駐車場もあるので車での訪問も可能です。六花亭といえばマルセイバターサンドで有名ですが、こうした文化活動にも力を入れていることをご存じでしたでしょうか。六花文庫は、食文化を愛する人々にとって、知的で心温まる時間を過ごせる特別な場所です。札幌で「本と食」に触れるひとときを求めるなら、ぜひ足を運んでみてください。そして近くには真駒内六花亭ホール店もあるため、お腹が空いたりお土産を購入する場合は、そちらに移動してお腹を満たすこともお買い物をすることも可能です。
六花文庫
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小樽ショールーム
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