





【坂道と共に歩んできた小樽の人々】
北海道小樽市を「坂のまち」としてご存じの方も多いのではないでしょうか。なかでも観光地として知られる坂道には、「地獄坂」「船見坂」「外人坂」などがあります。
たとえば「地獄坂」は、高台にある小樽商科大学へと続く長い坂道です。最寄りの小樽駅からはおよそ100mの標高差を上る必要があり、その急勾配が学生たちを苦しめたことから、この名が付けられました。一方、「船見坂」はその名のとおり、坂の途中から港に出入りする船を望むことができます。小樽を舞台にした映画やドラマのロケ地としても知られ、まちの中でも屈指の急坂です。時には警備員が配置されるほど、写真撮影の人気スポットとなっています。
小樽に坂道が多い理由は、まちの成り立ちと地形に深く関係しているようです。小樽は山と海に囲まれたまちで、市街地の一方が日本海に面し、残る三方を山々が取り囲んでいます。海岸沿いのわずかな平地に港が築かれ、そこを中心にまちが発展したため、海から山の斜面に向かって次々と建物や住宅が建てられました。明治時代、小樽が経済都市として栄えたころには、港の倉庫街から商店街、住宅地へと人や荷物が行き交い、坂道は生活を支える重要な道路として整備され、こうして小樽ならではのまち並みが形成されたのです。
小樽に暮らす人々にとって、坂道は日常の一部ですが、坂道の多いまちでの暮らしは決して楽ではありません。夏は急な坂道を上れば汗が噴き出しますし、自転車で移動することはほとんどありません。冬は雪が降り積もるので、冬靴や道路にも滑り止めの工夫が欠かせません。道路沿いには、滑り止め用の砂が入った「砂箱」も設置されています。狭い路地や坂道で車が雪に埋もれることもよく起こり、住民同士が力を合わせ、持ちつ持たれつの心で冬を乗り越えています。
小樽の坂道には、日々の暮らしと思い出が詰まっています。苦労して坂を上るたびに見える海の景色は格別で、このまちらしさを感じられる瞬間です。
今は山の紅葉と、海の青のコントラストが美しい季節となりました。小樽ショールームは、小樽駅から続く緩やかな坂道「中央通り」を下った先にあります。小樽ならではの景色と、穏やかな坂道の散歩を楽しみながら、どうぞお気軽にお立ち寄りください。
小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html
参考資料
https://www.city.otaru.lg.jp/docs/2020102600692/
https://www.city.otaru.lg.jp/docs/2021032300027/