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【ハイイロチョッキリ】

先日、群馬県の水上高原で夏の山を散策してきました。足元には葉の付いたドングリがたくさん転がっています。かわいらしいので思わず持って帰りたくなるのですが、注意が必要です。枝の先がチョッキリときれいに切れているものには、「ハイイロチョッキリ」という昆虫が産卵していることが多く、中から幼虫が出てきてしまうのです。

ハイイロチョッキリはゾウムシの仲間で、枝をチョッキリ切り落とす習性から名付けられたそうです。長い口の先のあごでドングリに穴をあけ、卵を産みつけたあと、枝ごと切り落とします。この作業には3時間以上かかることもあり、驚くほど根気強い仕事ぶりです。

なぜそこまで時間をかけて枝を切り落とすかというと、植物が持つ防御反応を避けるためだと考えられています。植物はかじられると特殊な物質を分泌し、昆虫にとっては毒になったり、天敵を呼び寄せたりします。ハイイロチョッキリは、この防御を絶つために、産卵したドングリを切り落としているのです。なぜ切り落としてから産みつけないかについては、卵からかえった幼虫に、できるだけ新鮮な状態でどんぐりを食べてもらいたいという親心と言えます。

森にたくさん実るドングリのうち、発芽して成長できるのは2%ほどといわれます。残りは動物や昆虫の食料になったり、条件が合わず発芽しなかったりします。こうして見ると、ドングリは森の生態系を支える大切な存在であり、小さな命の営みが集まり豊かな森を形づくっています。森の生き物たちの世界は興味深いですね。

参考資料
https://www.japan-parkranger.com/column/wonder/no-111-ハイイロチョッキリの話
https://www2.nhk.or.jp/school/watch/clip/?das_id=D0005401434_00000