

【大寺幸八郎商店「かなまり」―伝統と美を手のひらに】
富山県高岡市に伝わる金属工芸の技術を受け継ぎながら、現代の暮らしに寄り添う器として生まれた「かなまり」。熟練の職人さんが一枚の板を型に丁寧に打ち付けて作るこの器は、使うほどに味わいが深まっていきます。
「かなまり(金鋺)」という名前は、平安時代の随筆『枕草子』に登場する「あてなるもの(上品なもの)」の一節からお借りしたものです。古典文学に宿る美意識を現代の器に込めた発想が品のある佇まいに現れ、名前にもその美しさが感じられます。手仕事ならではの細かな凹凸や、金属の表情がそのまま器の個性になっており、同じ形でも一つ一つ違った風合いが楽しめる、まさに職人技が光る一点ものです。
錫の柔らかさを生かして、使う人が自分で縁を少し曲げて注ぎ口を作ったり、形を変えて盛り付けの印象を調整することもできます。まるで器と会話しているような感覚で、日々の食卓に新しい表情を添えてくれます。錫は熱伝導性が高いので、冷蔵庫で冷やしてから使うと、冷奴やそうめんなどの冷たい料理をより涼しげに楽しめます。銀白色の器は、食材の色を美しく引き立ててくれるので、緑の野菜や赤い果物など彩り豊かな料理がより映えて、シンプルな一皿もぐっと上品に仕上がります。錫は使い込むほどに色味が落ち着き、独特の風合いが出てきます。磨けば元の輝きに戻すこともできますが、あえてその変化を楽しむのも、長く使うからこそ味わえる魅力です。
我が家では、先日、六花亭で購入した限定スイーツが半分凍らせて食べるタイプのアイスケーキだったので、冷やしたかなまりにさっそくのせてみました。最後まで冷たいままおいしく、銀色の器にケーキの色が映えて、見た目からも涼しさが感じられました。サイズは小と中の2種類です。小サイズは薬味やデザートに、中サイズは麺類やサラダにぴったりです。器としてだけではなく、アクセサリートレイやインテリアとしても使える汎用性の高さも魅力で、多様な使い方ができます。
かなまりは手に取るたびに、職人の技と素材の美しさが感じられて、使う人の感性に寄り添いながら、静かに暮らしを彩ってくれる存在です。日常にすっとなじみ、ちょっとした贅沢を感じさせてくれます。伝統と新しさが程よく混ざり合ったこの器は、いつもの食事をちょっと特別な時間に変えてくれる、そんなアイテムだと思います。
大寺幸八郎商店 かなまり 中
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セラミック・ジャパン アヒルマグ
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小樽ショールーム
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