



【小樽・高島散歩】
札幌から向かうと、小樽駅を越えて小樽水族館の手前の漁港がある、小樽市は北端のエリアが「高島」です。かつてニシン漁で栄えたこの地は、1946年に小樽市と合併するまで独立した自治体でした。江戸時代、松前藩は家臣への俸禄をアイヌとの交易権として与え、小樽には「オタルナイ場所」と「タカシマ場所」が設けられました。交易をするタカシマ場所はとてもにぎわい、多くの漁師や商人たちが暮らしていました。今もわずかながら、石造りの倉庫があり、時代の息吹を感じることができます。
道道(どうどう)454号から高島中央線に入ってすぐの高台には、地元の人々に親しまれている「高島稲荷神社」が鎮座しています。ニシン漁での安全と豊漁を願う場として大切にされてきました。創祀は1690年といわれ、北海道の中でも大変長い歴史を持つ神社です。下から眺めても、かなりの急坂。参道を登ると小樽港を望むことができ、小樽八区八景に選定されている絶景です。
高島中央線をさらに奥に進むと、向かって左手に登場するのが、「旧高島町役場」です。かつてこのエリアが一つの自治体として存在していた証です。この建物は1935年に建てられ、重厚感溢れる外壁、縦長の窓が左右対称であるあたりに洋風建築らしさを感じます。今は使われていませんが、古き良き時代の雰囲気をそのままに、今も高島の坂の途中に佇んでいます。
観光の中心部から少し離れた高島には、穏やかな時間が流れていました。海の恵みと人々の暮らし、そして歴史が静かに息づいています。小樽のちょっぴり奥にある、海と歴史のまち・高島。ちょっと足を伸ばして訪れてみるのはいかがでしょうか。歴史の面影が残る小樽ショールームへもぜひお立ち寄りください。
小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html
参考資料
https://hokkaidojinjacho.jp/稲荷神社-57/
https://www.city.otaru.lg.jp/docs/2020100900213/
https://www.city.otaru.lg.jp/docs/2020101500719/