S__86589469

【ひょうちゃんと申します】

どなた?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、きっとご存じのはずでは?

“ひょうちゃん”とは、崎陽軒のシウマイの中に入っている醤油差しの名前です。そうです、それが“ひょうちゃん”です。私も散々お目にかかっているはずなのに、浜っ子のはずなのに、お名前を存じ上げなかったとはお恥ずかしいばかりです。と気づいたのも、先日いつものようにシウマイを蒸し直そうと箱の蓋を開けると、いつもと違う絵柄で存在感のある醤油差しが入っていたからでした。気になり調べてみると、名前は“ひょうちゃん”。そしておめでたいことに、ひょうちゃん誕生70周年を迎えたそうなのです。せっかくなので皆さまにもご紹介できればと思います。

開港以来、世界の文化を広く受け入れてきた横浜。崎陽軒は、横浜の地で1908年に創業しました。当時は横浜駅(現桜木町駅)の構内で、牛乳やサイダー、餅や寿司を販売していたそうです。その後、横浜名物を作りたいということで、南京町(現中華街)で“シューマイ”に着目、試行錯誤を重ね、車内で食べやすいように一口サイズで、そして何よりも冷めてもおいしい!にこだわったシウマイが出来上がりました。

シウマイが誕生した当時の醤油差しは、小さなガラス製の瓶だったそうです。戦後に、ひょうたん型の白い磁器になり、1955年には漫画家・横山隆一氏(代表作:フクちゃん)が「目鼻をつけてあげよう」とひょうちゃんの命が刻まれました。48種類の絵柄があり、なんともノスタルジックでシュールな初代ひょうちゃんです。そして二代目ひょうちゃんはイラストレーター・原田治氏によるもの。この時期に、栓がコルクから、現在も使用しているゴム栓に変わっています。今思えば、自分が子供のころのひょうちゃんはコルク栓でなかなか気の利いた逸品だったなと懐かしく思い返します。そして現在三代目は、2003年より初代の絵柄が復活しています。時折の“コラボひょうちゃん”や、60周年には赤いちゃんちゃんこを着た“還暦ひょうちゃん”も登場しました。

シウマイの蓋を開けると、ふと笑顔になれ、心あたたまるひょうちゃんですが、今回の70周年記念では、縁起物の打ち出の小槌からひょうちゃんが出てきたという設定のイラスト、7色展開で中には金色のレア物も含まれているのです。どうにもコレクターのハートをくすぐられますね。そしてひょうちゃんは横浜出身ですが、関西方面へ遊びに行くこともあります。関西の皆様のお口に合うようにだしを利かせた味わいで、催事の際のみ販売される“関西シウマイ”なるものがあります。その中のひょうちゃんは、関西の名所をデザインした“関西限定ひょうちゃん”がランダムに封入されているそうです。姫路城(兵庫県)、神戸ポートタワー(兵庫県)、五重塔(京都府)、ビリケンさん(大阪府)などなど全7種類です。個人的にも関西シウマイがとても気になります!遭遇する機会がありましたら、ぜひ感想をお聞かせください。

こちら銀座でも各デパートや、新橋、東京駅にも数多くの崎陽軒があります。旅のおともやお土産、今夜の夕飯の一品として買う方々でいつもにぎわっています。そのままでももちろんおいしいのですが、シウマイの温めには、ぜひともせいろでの蒸し直しをお勧めいたします。せいろのまま食卓に並べれば、目にもおいしく演出してくれますよ。今後の“ひょうちゃん”の成長を期待しながら、次はどんな“ひょうちゃん”に会えるか楽しみに、おいしいひとときを味わってください。

栗久 曲げわっぱのセイロ
https://www.shokunin.com/jp/kurikyu/seiro.html
足立茂久商店 わっぱセイロ
https://www.shokunin.com/jp/adachi/seiro.html
山一 中華せいろ
https://www.shokunin.com/jp/yamaichi/seiro.html
木屋 ふかし布
https://www.shokunin.com/jp/kiya/fukashi.html
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html

参考資料
https://kiyoken.com/
https://kiyoken.com/products/shiumai/22kansaishi.html