
中華圏にてよくありそうで見かけないものの代表格はラーメンでしょう。特に「中華そば」と書かれることの多い、ベーシックな醤油味のものが好きですが、年々日本の町中華を愛する傾向が強まってきました。
日本のラーメンが、その元になった中華圏の麺料理と何が大きく違うかといえば、昆布や煮干しをだしとして使用することかと思います。それにより、日本人が愛してやまないなじみ深い風味が生まれます。和風だしを通常加えないとんこつラーメンも、その製法自体が独特です。
このように他国から伝わった料理が独自の進化を遂げたものは、アメリカの例だけでも、シカゴ発祥の分厚いピザ、サンフランシスコで生まれた大きなブリトー、ヨーロッパの薄焼き生地文化と先住民のコーンミール料理が融合したアメリカンパンケーキ、酢飯で巻かれたカリフォルニアロールなど、枚挙にいとまがありません。
さまざまなおいしい料理を、手ごろな価格で楽しめる日本。その料理がどのようにして出来上がったのかという壮大な歴史に、思いを馳せてみてはいかがでしょうか。