


【Life in Art 柚木沙弥郎 展覧会】
テーマはもちろん「ワクワクしなきゃ、つまらない」です。この言葉は繰り返し柚木氏が発信してきた私も大好きな言葉です。歳を重ねるたびに、この言葉の大切さや尊さをさらに感じるようになりました。柚木氏は日本の染色工芸家で、染色以外にも版画や絵本、切り絵や立体造形物を制作し、昨年2024年101歳で他界されるまで精力的に活動されていました。今回の展覧会は、2012年から柚木氏と二人三脚でさまざまな企画を担当されてきた大島忠智氏との想いを紹介しています。なかでもピカソやシャガール、マチスなど名だたる芸術家たちにも愛されたパリの伝説的リトグラフ工房の「Idem Paris」で制作された作品なども展示されています。歴史ある工房のインクの匂い、機関車のようなプレス機に注ぐガラス天井からの自然光に、感動された柚木氏のすてきな写真が印象的でした。
柚木氏と大島氏のものづくりは、常にこれからの暮らしについて考えることからスタートし、モダンでありながら楽しく、使うほどに愛着が増す、生活に寄り添うものづくりを目指していたそうです。スタート当時の柚木氏の想いが詰まったメッセージや、愛らしい雑貨達と過ごすご自宅やアトリエの写真なども交え、紹介されています。
その中の言葉に「もの選びの基準はとにかくおもしろいと思うもの、ワクワクするもの。お店の人に“こういうものがあります”って見せられたものよりも、自分で見て、いちばん最初に目に入ったものがいいんだ」というメッセージがありました。確かに!銀座ショールームでも、りんご箱の上に並んでいる大入相撲の力士たちを目がけ、満面の笑みでお越しくださる海外のお客様たちがいらっしゃいます。皆さん口々に、なんてキュートで愉快なんだろうと話が弾みます。まさにこれが“ワクワクする”であり、普通の日常が自分にとっての特別になっていく!につながるのだなと日々実感しています。人それぞれのワクワクを眺めながら、こちらもワクワクしています。
こちらの展覧会は、銀座ショールームからも近い「無印良品 銀座 ATELIER MUJI GINZA」で開催されています。良い季節ですのでぜひお出かけください。
Life in Art 柚木沙弥郎 展覧会「ワクワクしなきゃ、つまらない」
https://atelier.muji.com/jp/exhibition/7149/
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html
セラミック・ジャパン 大入相撲
https://www.shokunin.com/jp/ceramicjapan/sumo.html
参考資料
hanaブック7号 2019 autumn - 2020 winter