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【インドネシアの発酵食品】

日本人にとって発酵食品といえば、まず「納豆」を思い浮かべます。そして「味噌」や「醤油」などでしょうか。私たちにとっては欠かせない食材も多い発酵食品、遠く離れたインドネシアでも古くから伝わる発酵食品があります。発酵とは、“物質に微生物などの菌類が付着し栄養素が分解されて、うまみ成分が生成され、人間にとって有益なものになること”と記されています。その発酵食品を生活に取り入れることで、腸内環境を整え、免疫力向上に役立ち、健康調節機能も上がり、体内に栄養が吸収されやすくなります。特に納豆の栄養価においては、ビタミンB2は煮大豆の約10倍になるそうです。天然アミノ酸の一種であるGABAも含まれており、脳の興奮を鎮め、ストレス軽減を促す効果もあるそうです。そんな優れた発酵食品ですもの!海の向こうでも、昔からたくさんの発酵食品が人々の健康を守っています。

先日、インドネシアで興味深い発酵食品に出会いました。インドネシアの気候は熱帯気候のため食品保存に適さないということから発酵技術が発展しました。その中でも宗教的にあまり肉を食べなかったり、肉や魚が手に入らない地域も多かったこともあり、大豆や芋類、米などを使った発酵食品が広まりました。

代表的なものでは、大豆を使った「テンペ」が有名です。日本では大豆の発酵食品というと、おなじみの納豆菌を使った「納豆」が代表的ですが、テンペは茹でた大豆を成形しバナナの葉に包んで発酵させます。バナナの葉に付着しているクモノスカビの一種のテンペ菌がいい仕事をしてくれるようです。納豆のように独特の香りや粘り気もないので、揚げたり焼いたりと料理にも使いやすく、インドネシア料理では定番で、かなりの確率で遭遇いたします。テンペチップスなど加工された商品もあり、確実にハマる逸品です。日本でも購入可能なのでぜひお試しください。

そしてもう一つ、初めて出会ったのが「タペ」という発酵食品です。「タペ」という言葉は、茹でたり蒸したりしたキャッサバや餅米を甘く発酵させた食品を総称するインドネシア語です。キャッサバのものは“タペシンコン”、餅米のものは“タペクタン”と呼ばれています。今回はタペクタンを味わうことができました。それは木の葉に包まれていて、恐る恐る開いてみると、甘酒のような香りと少し水っぽい餅米のような、麹のかたまり?のようなものが現れました。そしてほんのり甘く、まるでリキュールにつけた和?洋?菓子のようにも感じるくらい。私には好食感でした。こちらのタペクタンはラギという麹菌を仕込んだ餅米を個別に葉にくるみ、葉っぱの中で発酵させます。使われる葉はキャンドルナッツの葉やバナナやグアバの葉などが使われます。餅米も白いものや黒餅米を使う場合もあるそうです。現地では、そのまま食べたり氷菓子に入れたり、そして応用編として、インドネシアでは手に入りにくい酒・みりんの代わりにも使え、卵焼きや西京漬、浅漬けなど和食にもとても合うそうです。

お国は違えどやはり通じるものがある発酵食品、奥深く、同じアジア圏内、なおさら興味も湧いてきます。海を渡りながら少しずつ変化していく食文化を知るのも楽しみのひとつです。学ぶより“食べる”がメインですが、また行きたくなってくるインドネシアです。

銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html

参考資料
https://yadokari.net/future-living/wellness/76660/
https://kosmost.jp/outside-yourself/tempe-indonesia-bali-fermentation/
https://note.com/k1tojo/n/nc1ccb0d23a48
https://www.asahigroup-foundation.com/support/pdf/report/2007/cul_03.pdf
http://nusantarakitchen.blogspot.com/2017/01/tapaitape_29.html