



【中野植物園】
ディープな小樽を感じたい方にはぜひ行ってほしい、「昭和のワンダーランド」と呼ばれている中野植物園をご紹介します。小樽駅からバスで15分ほど、徒歩だと45分ほどかかります。
1908年(明治41年)に開園した市内唯一の私設植物園である中野植物園は、敷地面積が約50,000㎡で東京ドームよりも大きいです。これほどの大きな私設植物園はなかなか珍しいのではないでしょうか。かつてのオタモイ遊園地もそうですが、小樽のために私財を投じようとする方々が多くいらっしゃったのだなと感じます。
中野植物園は小樽市清水町という場所にあり、昔は「源町」という町名でした。バス路線の梅源線には、現在はなくなってしまった源町の名残があります。のちほどご紹介する「源山」も、そのころの名残が山の名前に残っています。当時は源町を源流として水が流れており、その流れの先に今の清水町が続いていたといわれていますが、昭和43年に町名改正があり、源町は清水町に組み込まれ、その町名はなくなってしまいました。
この植物園は、もともとお蕎麦屋さんを営んでいた初代園長の中野鹿蔵さんがお店を閉めて作り上げ、運営に力を注ぎました。家族経営で100年以上、小学校の遠足から家族行事に至るまで小樽市民に親しまれています。開園期間は4月下旬から積雪までで、春から秋まで藤や桜、ツツジやモミジなど100種類以上の植物や、さまざまな鳥や虫を観察することができます。
園内の入り口では、柴犬の看板犬ハルちゃんがお出迎えしてくれることもあり、植物のほか、開園と同時期に設置された遊具が、今もペンキを塗り直しながら使われているものが園内に点在し、昭和にタイムスリップしたかのよう。写真スポットとしてノスタルジックな写真をたくさん撮影することもできます。さらに道具を貸していただけて、北海道名物のジンギスカンを園内で楽しむことも可能です。
斜面のある園内をぐるっと巡るだけでも、息が切れること間違いなしですが、実はメインの園内以外に、道を挟んだ隣には源山という小さな山があり、こちらも中野植物園の敷地です。源山は標高150m、普段登山やハイキングに親しんでいない方には、頂上付近が険しく感じられることもあるかもしれません。途中、観音様が立っておられるところが山頂と思ってしまいますが、その後もう少し道があり、なかなかに険しい山道です。
山の上のほうからは小樽市街を望む絶景を堪能でき、達成感を味わうことができるのではないでしょうか。季節ごとの花や鳥や虫の見に、観音様に会うための登山と、何度でも行きたくなる場所です。
※冬季は休業されているため、お手数ですが開園期間をご確認のうえご訪問くださいませ。
中野植物園
https://maps.app.goo.gl/aRdLoSThbyUL1rCM9
小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html
参考資料
https://otaru.gr.jp/tourist/2024kouyonakanosyokubutuen10-25
https://heritage.jila-zouen.org/archives/4181