





【火野葦平文学散歩】
芥川賞受賞作家・火野葦平は、北九州市若松区出身の小説家です。生涯にわたって、自身の故郷である若松を描いた小説を数多く残しています。
小説を読んでいない方の中にも、『花と龍』と聞いて映像作品を思い浮かべる方は多いことでしょう。映画『花と龍』は、自伝的長編小説『花と龍』が原作で、舞台はここ若松。私には、同じく福岡県出身の高倉健さんが出演する任侠映画というイメージが強くあります。
若戸渡船の若松渡場には、葦平文学の足跡をたどるための手描き地図「火野葦平文学散歩」が飾られています。挿絵がたっぷりで、書かれている言葉からも活気を感じるこの地図は、火野葦平資料館の創立に奮闘した故・山福康政さんによって1985年に描かれたものでした。デザイン性の高い独自の印刷物を手がけ、若松でまちの印刷屋として地元の出版文化を支えたヤマフク印刷の創業者で、印刷業のかたわら、絵草紙作家、挿絵画家としても活動されていた方だそうです。
「火野葦平文学散歩」によると、どの葦平作品にどの場所が描かれているかが一目で分かります。火野葦平資料館で彼の文学や生涯について触れ、若松区内に点在する場所や跡を散策しながらまち歩きができます。
40年の時が経ち、山福康政さんの長男である山福康生さんが現在の若松と重ね新たに描き下ろした「火野葦平文学散歩地図」もあります。こちらには地図上にショールームが入居する上野ビルがあり、若松の歴史なども書き込まれ、また違う味わいのあるものになっています。
特に『花と龍』は、地図で紹介されている15以上の場所と関係するようで、若戸渡船の渡場をスタート地点に巡ってみてはいかがでしょうか。若松ショールームと併せてぜひ若松での時間をお楽しみください。
火野葦平資料館(若松市民会館内)
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/wakamatsu/file_0043.html
若松ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/wakamatsu.html
参考資料
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/wakamatsu/w4100162.html
https://plusfukuoka.com/kubrick-201808-yasumasa-yamafuku-exhibition/
https://nekoyanagioffice.blog.jp/archives/65904795.html