





【仏像の見分け方】
奈良公園の一角にある奈良国立博物館。4つのギャラリーがあり、そのひとつである「なら仏像館」で、偶然とあるパンフレットを手に取りました。かわいらしいイラスト付きのカラフルな表紙だったので、「子ども向けかな?」と軽い気持ちで開いてみると、なんと中身は簡潔に、分かりやすい言葉で要点がまとめられた、目から鱗のすばらしい内容でした。その名も『かたちで見分ける!仏像4つのグループ』、これさえ読めば仏像を服装や髪型などさまざまな特徴から見分けることができるようになる一冊です。「もっと早くに出会いたかった」と思わずにはいられない、今後の仏像鑑賞が楽しくなること間違いなしの内容でしたので、みなさまにも少しだけご紹介いたします。
仏像は「如来」「菩薩」「明王」「天」の4つのグループに分かれます。
「如来」は修行を積み、仏さまとなったお釈迦さまの姿が元になっており、奈良・東大寺の盧舎那仏(大仏さま)や、薬師寺の薬師如来はこのグループです。布を巻き付けるだけのシンプルな服装や頭頂部の盛り上がった頭の形が特徴的です。
「菩薩」は修行を始める前、インドの小国の王子であったお釈迦さまの姿がモデルになっており、王子らしいアクセサリーや冠といった豪華なファッションが特徴です。京都・三十三間堂の千体千手観音立像は正式には「十一面千手千眼観世音菩薩」と呼ばれ、こちらに当たります。
「明王」は悪や災いを打ち消す強い力を持っていることを表すため、牙を出した口元や恐ろしい表情、背後の炎が特徴です。京都・東寺の大威徳明王や千葉・成田山新勝寺の不動明王はこちらのグループ。
最後に、「天」とは仏教の世界を守るガードマンの役割を持つため、鎧やたくましい筋肉が特徴です。かつてさまざまな姿形をしたインドの神さまが各国・地域の信仰と結びつき、仏さまの仲間入りをしたという背景があるため、天の形や服装はさまざまです。大黒天や弁財天、毘沙門天などの七福神のメンバーはこちらのグループに属します。
このパンフレットのおかげで「優しいお顔だな」ほどの感想しか持てなかった私の仏像の見方ががらりと変わりました。今後はその仏像が作られた背景、込められた願いなども含めたもう少し踏み込んだ仏像鑑賞ができそうです。パンフレットは多言語展開で、オンラインでも公開されています。イラスト付きですぐに読み終えることができますので、ご興味のある方はぜひお調べになってみてください。
400年の歴史を誇る鋳物の町・富山県高岡市では、仏像や仏具が作られてきました。現在でも高い技術力を持つ工房が数多くあり、最新の3D技術を駆使した仏像の復元・修復にも取り組まれています。当店ではそんな高岡市でつくられる数多くの商品を取り扱っています。美しさと機能性を兼ね備えた各ブランドの商品をぜひご覧ください。
奈良国立博物館
https://maps.app.goo.gl/DzC4FmXxwSJR5vwJ9
大寺幸八郎商店
https://www.shokunin.com/jp/otera/eto.html
FUTAGAMI
https://www.shokunin.com/jp/futagami/
能作
https://www.shokunin.com/jp/nousaku/
モメンタムファクトリー・Orii
https://www.shokunin.com/jp/orii/kaki.html
syouryu
https://www.shokunin.com/jp/syouryu/
ここかしこ
https://www.shokunin.com/jp/kokokashiko/
参考資料
『かたちで見分ける!仏像4つのグループ』
https://edu.narahaku.go.jp/online-work/
https://douki-takaoka.jp/about