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【落花生】

落花生は秋を表す季語で、今がちょうど旬です。地域によっては生の落花生を見かけることもありますね。世界中で親しまれているピーナッツ(落花生)、皆さんはどんな時に、どんな食べ方で楽しまれていますか?私は「柿ピー」に入っているピーナッツが一番好きです。真冬には、祖母がこたつで落花生を食べ、新聞の広告紙で折った入れ物に殻を入れていた風景を思い出します。

おなじみの「柿ピー」は、唐辛子の効いた醤油味の柿の種型のあられにピーナッツが加えられたお菓子です。なぜピーナッツが入っているのかには諸説あるそうです。一つは、帝国ホテルのバーでナッツを提供する際に、日本らしさを出すためピーナッツに柿の種を混ぜたことが始まりとする説。もう一つは、亀田製菓の創業者の妻が、直売所で思いつきでピーナッツと柿の種を一緒に食べたことが始まりという説です。こうした食品が生まれる背景は興味深いですね。

英語では「ピーナッツ」と呼ばれますが、実はナッツ(種実類)ではなく豆類の一種です。南米アンデス地方原産で、東アジアを経由して江戸時代に日本に伝わったといわれています。ピーナッツはマメ科植物の仲間ですが、ほかの豆類とは異なり、豆(種子)の成り方がユニークで、花が咲いたあと、ツルが地中に向かって伸び、地中で実を付けることから「落花生」と名付けられました。

落花生の花は黄色で、蝶が羽を広げたような形をしている「蝶形花」。同じマメ科のスイトピーも同様の花の形をしているので、イメージしやすいかもしれません。花言葉は「仲良し」で、これは、さやの中に2粒の豆が仲良く並んでいるからです。

昔は「ピーナッツを食べると吹き出物ができる」といわれていましたが、これは迷信で、科学的根拠はないそうです。むしろ、ピーナッツには血管を健康に保ち、死亡率を下げる効果があることが分かってきています。ピーナッツの半分は脂肪で高カロリーですが、そのほとんどが不飽和脂肪酸なので、コレステロールを心配する必要はありません。また、たんぱく質やビタミンも豊富で、渋皮にはポリフェノールも多く含まれています。とはいえ、一度食べ始めると止まらなくなるので、1日にご飯一膳分ほどのカロリーとされる30粒以内が適量です。

日本の落花生の約8割は千葉県で生産されています。先日、近所のスーパーで生の落花生が販売されていたので、ゆで落花生を作りました。サイズが大きく、ほっくりとして甘みがあり、つい手が止まらなくなりました。

「落花生喰ひつつ読むや罪と罰」(高浜虚子)

皆さんも、ピーナッツの食べ過ぎには注意しつつ、おいしく楽しんでください。

白木屋漆器店 手塩皿
https://www.shokunin.com/jp/shirokiya/teshio.html

参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/柿の種
https://ja.wikipedia.org/wiki/ラッカセイ
https://www.kawagoeya.com/?post_type=knowledge
https://suzuichi-s.co.jp/s/346/?srsltid=AfmBOooP0P5foexEBuPhKYswcdVhs3QcC_n86YYpEvydjnggzzQp2JPy