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【伊賀焼土鍋の大事な目止め】

土鍋で炊くふっくらご飯と、食材のうまみが引き出される煮物料理に憧れて手にした伊賀焼の土鍋。棚にしまうのがもったいないくらいに見た目もすてきで、キッチンに並べていつも眺めています。

土鍋や鉄鍋など、「育てる鍋」といわれる料理道具は、使う前後の手入れが大変そうと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。土鍋は、鉄製の鍋に比べると気を付ける点は多少ありつつも、変化していく姿が楽しく、手入れしながら大事に使い込むほど鍋の特性がより生きるようになり、料理がおいしくなります。

使い続け育てていくために、必ず覚えておきたいことは、①使う前に鍋の外側を濡らさず、使用後洗ったらよく乾かす。②使いっぱなしにしない。③定期的に目止めする。の3つです。

土鍋は陶器なので、急激な温度変化に弱くデリケートです。ヒビが入ることも、もちろん扱い方によっては割れてしまうこともあります。鍋を火にかけるときは鍋底の外側が乾いた状態(水滴などが付いていない状態)で弱火から始め、鍋が温まってきたら火を強くしましょう。土鍋の魅力でもある蓄熱力が料理をおいしくするのですが、そのため火から下ろしてしばらくは料理も鍋も熱々が続きます。熱いまま急に水をかけ冷ましたり、水を張った洗い桶に入れないようにしましょう。反対に、水分を吸収しやすいという特長もあるため、作った料理や残った煮汁は明日洗えばいいやと一晩中入れっぱなしにしてしまうと、鍋が吸い込み匂いやカビの原因になります。鍋の温度が下がった使い終わりには早めに洗い、鍋に水分が溜まらないよう逆さにし風通しをよくしてしっかり乾かしましょう。

そして、大事な目止め。新品の土鍋や長い間使っていなかった土鍋の使い始めには必ず、そしてこれからも丈夫に使い続けるためにも定期的に行います。米のとぎ汁、小麦粉や片栗粉を入れて煮るなどたくさんの情報があり、いろいろと試してみましたが、やはりお粥を炊くのが一番でした。土鍋に8分目の水とご飯を入れ、吹きこぼれのないよう弱火で30分以上ゆっくりと炊きます。少し心配なときは、お粥が糊状になるくらいしっかり炊いてみてください。お粥が炊き上がったら火を止め、土鍋が十分に冷めてからお粥を取り除き土鍋を水洗いします。お粥を炊くことで米のでんぷん質が土鍋表層の細かい気孔を埋めてくれます。

ある日、食事終わりの鍋の底に少し長めの線が出来ていました。陶器独特の貫入といわれる細かなヒビが出来ていく様子は楽しみにしていたものの、見つけたヒビが想像していたものより長かったので、ドキッとしたのを覚えています。さらに、じんわり広がった鍋底のシミ。鍋を逆さにし乾かしてもなかなか消えず、どうやら貫入から水分が滲み出ていたようで、目止めを繰り返すうちにからっと乾くようになりました。

ご飯を炊いているんだから、同時に目止めもできているのでは?鍋のシメで麺やご飯を入れれば、それが目止めになっているはずでは?と、お手入れを怠けていた自分を反省し、目止めの日を設け、目止め後は風通しのよい場所でしっかり乾かすことにしました。季節に一度やお粥作り以外での使用頻度が続けばもう一度くらいと、たまにではありますが、気になっていたヒビや水漏れのシミが目立たなくなりました。手をかける時間で土鍋がぐんぐんと育っているようで、どんどん愛着も湧いてきます。

当店でも伊賀焼土鍋の取り扱いがございます。ご購入を検討中の方の参考になればとても嬉しいです。お気に入りのものこそ、定期的なお手入れをしながら、長く大事に使っていきたいですね。

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