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【お灸】

そろそろ夏の疲れが出るころでしょうか?皆さんも一度は「お灸をすえてやる」と言った側か、言われた側か?耳にされたことがあるかと思います。お灸をすえるは「据える」と書いて、“お灸をしっかりと置く”という意味になります。そして、さすがに現在はあまりないと思いますが、江戸時代には治療としてだけでなく「罰」としての役割も持ち、家庭や教育現場で痛みと共に教訓を与えるという意味で生活の中に溶け込んでいたようです。

仏教伝来と同時に日本に伝わったお灸は、痛いところに手を当て温める「手当て」から始まりました。江戸時代には交易の広がりに伴って世界にも広がり、今も世界中でお灸はその原材料から「moxa」と呼ばれています。お灸は明治時代になって西洋医学が導入されるまで、約1000年もの間、日本の医療を支える存在でした。現在では、鍼灸や漢方などの東洋医学のメカニズムの科学的解明が進み、深刻な病気になる前の「未病」の段階で取り入れることによって、健康維持につながると西洋医学の世界でも期待を集めています。

この「moxa」の原料になっているのが、日本人にもなじみの深い和ハーブのよもぎです。よもぎは、食べてよし、飲んでよし、香ってよし、焚いてよし。滋養や婦人科系、美肌効果に効能を持つことは日本でも有名ですが、ヨーロッパでも「ハーブの女王」として愛され、魔除けや儀式などにも使われますし、韓国のよもぎ蒸しも有名ですね。高温多湿な環境の中、水分をたっぷり含む食事をとる私たち日本人の体は、外には湿気が多く、内にも水分が多い状態にあり、乾燥した大陸に暮らす人たちに比べ、皮膚も薄いため寒冷の影響を受けやすい体質だそう。そのため、小さな刺激で体をじっくり温めることができるお灸は、日本人の体質に合っているといわれています。

驚いたのが、お灸に使うもぐさはよもぎの葉の裏側にある白く光る綿毛。よもぎを乾燥させて砕き、葉や茎を取り除く作業を繰り返し、1/200しか取れないほんの少し残った綿毛だけを使用します。この綿毛の量が多いものが温熱も穏やかで初心者にも使いやすいそうです。よもぎには精油成分が含まれるため火付きもよく、熱さが少なく火持ちもよいのでお灸に最適なのです。

話を聞いているうちにお灸たちが愛らしくなってしまったときには、銀座ショールームの近くの「せんねん灸」のショールームで、さまざまなお灸に出合うことができます。もちろん自分に合ったお灸のアドバイスもしていただけますし、最近の火を使わないお灸や香りのするお灸なども揃っています。人生100年時代!いかに未病のうちに自分で自分をケアしていくか、ということが大切に感じられる今日この頃です。まずは暑かった夏の疲れを癒やしましょう。

銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html
せんねん灸 ショールーム銀座
https://www.sennenq.co.jp/company/ginza.html

参考資料
https://www.sennenq.co.jp
https://www.starbucks-kenpo.or.jp/my_wellness/mindset/list16.php
https://www.459.ac.jp/heal/15991/
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E4%BF%97%E4%B8%89%E5%8D%81%E4%BA%8C%E7%9B%B8