【小樽新倉屋の花園だんご】
小樽の街中を歩いていると、市内のお店情報などを紹介する街頭放送が聞こえてきます。ショールームでの勤務を終えて、ちょっと甘いものでも食べたいなという気分のときには、「新倉屋の花園だんご」を紹介する朗らかな声がとても魅力的に響きます。
「小樽新倉屋」は、2024年の今年、創業129年を迎えた小樽の老舗製菓店です。さまざまな小樽銘菓を生み出している新倉屋ですが、その中でも看板商品といえば「花園だんご」。花園だんごは、昭和11年ごろから製造・販売が開始されました。小樽市内にあった花園公園(現在の小樽公園)でこの団子が売られていたことが命名の由来になったといわれています。
こだわりの原材料と昔ながらの製法によって作られるお団子生地は、やわらかさとコシのある食感と、お米本来の風味と甘さが特長です。従業員の方々の間では、何もつけない状態が一番おいしいともいわれているそうです。ころんと丸いお団子がひと串に4つずつ。小ぶりなのでぺろりと食べられて、いろいろな味を食べ比べできるのが嬉しいです。お味は、黒あん・白あん・抹茶あん・胡麻・お正油の5種類があります。このうち、胡麻とお正油を一本ずつというのが「小樽っ子」のスタンダードということで、この日は私も小樽っ子に倣ってこの組み合わせを選びました。花園本店にはイートインスペースがあり、冷たい茶や抹茶などと一緒にお団子を味わうことができます。散策の途中に少し休憩するのにもぴったりのスポットです。
私の個人的なおすすめは胡麻だんごです。きめの細かいすり胡麻がたっぷりとかけられており、口いっぱいに広がる胡麻の風味と香ばしさに幸せな気持ちになります。パウダー状の胡麻は時間とともに水分を吸って風味が損なわれてしまうため、新倉屋では注文後に胡麻をかけて提供するのだそうです。また、お持ち帰りの場合には「ごま袋」のサービスがあり、食べる直前に追い胡麻をすることで、自宅でもできたての風味を味わえるようにと工夫されています。密かなごま袋ファンたちは、ほうれん草の胡麻和えなどにアレンジしているのだとか。余った胡麻をお正油だんごにつけてもとてもおいしかったです。
また、3種類のあんだんごは、なんといっても美しく盛られたあんの形が特徴的です。これは2代目の新倉慎太郎氏によって、庶民的なお菓子であったお団子を贈答品としても使えるようにと考案されたあんのつけ方です。刀のような形から「山型一刀流」と呼ばれ代々受け継がれています。ヘラを使って一本一本あんをつける作業は、大変難しく手間のかかる職人技で、慣れるまでに手首が腱鞘炎になってしまうこともあるというエピソードも!華やかな見た目だけでなく、あんには北海道十勝産の小豆や白いんげんが使用されており、こだわりの道産素材を味わえるのも嬉しいポイントです。
花園だんごの賞味期限は当日中ということで、お土産には日持ちする「花園三色だんご」がおすすめです。こちらは粒あんを求肥で包み、あおさ海苔・コイロ・黒胡麻の3種類をまぶした三色団子です。手軽につまめるミニサイズで、それぞれ異なる風味や食感が楽しいです。袋を開けると、まずあおさ海苔の香りがふわっと広がります。お気に入りのお茶や茶器と一緒に楽しめば、小樽の思い出話にも花が咲きそうですね。
小樽ショールームから最寄りの店舗は、花園1丁目の花園本店。徒歩10分の位置にあります。小樽駅前にもお店がありますので、小樽を訪れた際にはぜひお試しくださいませ。
小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html
菓匠 小樽新倉屋
https://www.niikuraya.com/
山の形 あけびのプレート
https://www.shokunin.com/jp/yamanokatachi/akebi.html
すすむ屋茶店 抹茶ぐい呑み 大
https://www.shokunin.com/jp/susumuya/matcha.html
すすむ屋茶店 急須2
https://www.shokunin.com/jp/susumuya/kyusu.html
参考資料
「Mixだんごのススメ」小樽新倉屋
https://www.niikuraya.com/otarusweets/#dango
https://www.tabirai.net/sightseeing/column/0007933.aspx
https://ja.wikipedia.org/wiki/花園だんご
https://otaru.gr.jp/tourist/wagasiwakishophanazonodangonohimituniiltutekimasita