【ワイン】
9月に入り小樽ショールームがある北海道では、陽が落ちると心地よい涼しさが感じられるようになり、秋の気配を感じます。秋になると夏の間に日差しをたっぷり浴びた農作物が実を付け始め、収穫を迎える時期になります。なかでも果物は、秋に収穫を迎えるものも多く、この時期を心待ちにしている方も多いですよね。小樽市とその近郊の町、余市町や仁木町では果樹栽培が盛んで、りんごやぶどうを中心とした果物が収穫期を迎えます。小樽市塩谷地区から仁木町を結ぶ約20kmの道路を「フルーツ街道」と呼び、街道沿いには、果物栽培農家、観光農園、直売所が数多くあり、農園では果物狩りもにぎわいを見せます。この地域では、食用のぶどうも栽培されているのですが、ワイン用のぶどうも多く栽培されていて、これらのぶどうは、国産ワインの製造に使われています。近年、日本各地で大小さまざまなワイナリーが設立され、旅行などで訪れた際に、その地域のワインを楽しむということもあるかと思います。北海道内も数多くのワイナリーがあり、その数は山梨県・長野県に次いで3番目に多いです。今では、国内のワイナリーが、それぞれ地域色を生かしたワインの醸造を行っていますが、日本でワインが広まったのは150年ほど前の明治時代のことでした。
それに比べて、ワイン自体の歴史は遥か昔。文献で残っている最古のものはメソポタミア文明のころであり6,000年〜7,000年前にまで遡ります。ワインを醸造し、そのためにぶどうの栽培が行われていました。これは、あくまでワインを造っていたということが示されているものであり、人類は、自生していたぶどうの原種が自然界にある酵母で自然に発酵していたものを摂取していたと考えられているので、ワインは人類の歴史と共にあるとも言えそうです。文明が広がるにつれ、ワイン造りがエジプトやギリシャなど地中海沿岸諸国へ広まり、ヨーロッパへと移っていきました。ヨーロッパ各地へと伝わったワイン造りは、キリスト教と深い関係を持ち、キリスト教徒は修道院でワインを造り、そのワインはミサなどの儀式で用いられたり、巡礼者に振る舞われたりしました。最後の晩餐でイエス・キリストが「私の体である」とパンを、「私の血である」とワインを弟子たちに分け与えたと新約聖書に書かれていることから、キリスト教徒にとってワインは単なる飲み物ではなく神聖なものでもあったのです。世界が大航海時代を迎えると、キリスト教と共にワインも世界各地へと広まり、技術の進歩により長期の熟成に耐えうるガラス瓶やコルク栓が使用されるようになるなど、保存容器の品質向上や大量生産に伴って、宗教と関係なく広く親しまれる飲み物となりました。
そして、日本では明治時代の初期に近代化の政策の一環として政府主導でワイン醸造を手がけることになり、江戸時代からぶどうの生産が行われていた山梨県からその取り組みが始まりました。日本のぶどうである甲州ぶどうを使ってワイン醸造を始め、ワイン造りがスタートしたのですが、日本でなじみのないワインは国民になかなか受け入れてもらえず、日本初のワイン会社は解散となりました。政府主導のワイン造りは頓挫してしまいましたが、その後も国産ワインに携わっていた者たちが個人でワイン造りを続けていました。その中で、ワインにはちみつや漢方薬で甘みをつけた甘味ワインは日本人にも飲みやすかったことから徐々に認知されるようになりました。渋みが特徴の本格的なワインは、細々と造り続けられていましたが、戦後の高度経済成長と食生活の欧米化が追い風となり、本格的なワインが広まりを見せ始めました。その後も東京オリンピックや大阪万博などによってワインの消費量は増加傾向になりました。輸入ワインが多い中、ワインの消費量が増えると国産ワインの生産も増加し、日本各地にワイナリーが次々と誕生しました。世界のワインと比べるとまだまだ歴史は浅い日本のワインですが、より良いものを造りたいという強い想いを持ってワイン造りに取り組む日本の生産者の方々のおかげで、国産ワインの品質は年々向上し、スーパーやコンビニなどでもよく目にするようになりました。
暑い夏は、すっきりと爽快感のあるビールを好んで飲まれる方も多いかもしれません。そんな夏も終わりが見えてきて、だんだんと涼しくなってきて日も短くなると、家でゆっくりと過ごす時間も増えてきます。そんなときに、余韻までじっくり味わうワインが恋しくなりますね。ワインは味だけでなく、香りや色も合わせて楽しむ飲み物でもあり、こだわりのグラスが欲しくなります。廣田硝子の柳宗理ワイングラスは、持ち手と底が一体となったようなデザインで、美しいカーブに手がフィットして持ちやすく、厚みがあり程よく重みのある底は安定して置くことができるので、料理が並ぶ食卓でも、ソファ横のサイドテーブルでもシーンを問わず、日常的にお使いいただくのにぴったりです。また、底部分のガラスには周りの景色が輝きを持って映し出されます。現在、小樽ショールームでご覧いただけますので、ぜひお手にとってご覧ください。
廣田ガラス 柳宗理ワイングラス
https://www.shokunin.com/jp/hirota/wine.html
小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html
参考資料
https://jwine.net/knowledge/history/
https://www.kirin.co.jp/alcohol/wine/wine_academy/knowledge/region/history.html