【中秋の名月と台湾の地瓜球(ディーグァチォウ)】
まもなく中秋の名月ですね。2024年は9月17日が中秋の名月で、翌日の18日が満月となります。中秋の名月の前夜は「待宵(まつよい)」といいますが、その日の月のことを「待宵(まつよい)の月」または「幾望(きぼう)」と呼ぶそうです。「幾」は「ほとんど」、「望」は「満月」を表し、「ほとんど満月」というネーミングからは、満ちていく月とともに膨らむ喜びや期待、未来への祈りのようなものが伝わってくるようです。
さて、年に一度の名月ですから、美しい月を見上げながら何か縁起の良い食べ物でも。中秋の名月は、別名「芋名月(いもめいげつ)」ですから、さつまいもを使ったスイーツはいかがでしょうか?
台湾のどこの夜市に行っても見かける屋台スイーツの定番「地瓜球(ディーグァチォウ)」は、蒸したさつまいもや紫芋をペースト状にし、地瓜粉(さつまいもの澱粉)や砂糖などを合わせ、油で揚げて作ったシンプルなもの。粉は白玉粉や片栗粉など、日本のスーパーで手に入る粉で代用も可能です。良い色に揚がった地瓜球は、まるで満月のよう。外はカリッと、中はもっちりとした食感です。揚げるときのコツは、揚げている最中にトングなどで軽くつぶして空気を抜くと、冷めたときにしぼまないそうです。これで夜まで綺麗な満月を保つことができそうですね。
さつまいもを蒸すのには山一の中華せいろを、揚げる際には小笠原陸兆のフライパンを使用しました。さつまいもは、加熱調理してもビタミンCが破壊されずしっかり摂取できる嬉しい食材。また、骨や歯を形成するのに必要不可欠なカルシウムは白米の約7倍、皮膚や粘膜の働きを補助するビタミンCはりんごの約7倍、ナトリウムの排出に作用することで高血圧を防ぐカリウムはトマトの約2倍と、さまざまな栄養成分を豊富に含んでいる、身近でいて頼もしい野菜です。
夜風が気持ち良い秋は、心と体を落ち着かせ、整えるのに最適な季節。夜空を彩る星の配置も、見上げれば夏から秋のそれへと様変わりしています。「ささやか」という言葉が似合う秋の星座たち。空に浮かぶ明るい月を仰ぎ、今宵はさつまいもの満月を一つ二つと味わってみてはいかがでしょうか?
conte まかないボウル 180・まかない丸バット 180
https://www.shokunin.com/jp/conte/bowl.html
和田助製作所 クッキング&サービングスプーン S
https://www.shokunin.com/jp/wadasuke/spoon.html
小笠原陸兆 フライパン
https://www.shokunin.com/jp/rikucho/fryingpan.html
白木屋漆器店 手塩皿
https://www.shokunin.com/jp/shirokiya/teshio.html
参考資料
https://www.start-line.co.jp/magazine/homerecipes/1370/ (レシピ)
https://cookpad.com/jp/recipes/20938330 (レシピ)
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2024/09-topics02.html
https://satsukoi.com/learn/1032.html
https://ja.ukiyo-e.org/image/met/DP136939