【ベトナムのライスペーパー】
このごろ、SNSではライスペーパーを使ったいろんなアレンジ料理が話題になっています。最近見かけた中で興味深かったのは「ブルダックサム」と呼ばれる、韓国で人気の激辛ブルダック麺をライスペーパーで包んだもの。麺を手で食べられるというのが新鮮でした。ライスペーパーといえば、生春巻きを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、日本の海苔、フランスのクレープやガレット、メキシコのタコスのように、ライスペーパーもさまざまな具材を包むことができる食材です。
ベトナムのライスペーパーには、製造過程に由来する独特の格子状の模様があります。これは、米を砕いて乳液状にしたものを布の上に広げ蒸し器で蒸したあと、ザルの上で天日干しして乾燥させる仕上げ工程で付く模様です。高温多湿な気候から米を保存するためにライスペーパーは誕生しました。
ライスペーパーは、ベトナム戦争の際に兵士たちにとって重要な携帯食でもあったようです。火を使うと煙が出て敵に居場所が分かってしまうため、簡単に水で戻すことができて、森に自生する食べられそうな植物や適当なおかずをその場で手早く包んで食べられるライスペーパーは、とても大事な食糧でした。お米から作られているので栄養価が高く、軽くて保存性にも優れているので、それさえ携帯していれば狭い場所にも長期間隠れることができたのだそうです。
また、ベトナムは中国王朝の支配を長く受け、フランスの植民地となっていたこともあるため、ベトナム料理は中国料理とフランス料理の影響を受け発展してきました。中国からは米や麺、箸、茶わんを使う文化が、フランスからはパンやコーヒーの習慣が取り入れられています。ベトナムは農業が盛んで、一年に2回以上米の収穫ができることから収穫量も多く、米を使った麺の「フォー」や「ブン」、ライスペーパーの「バインチャン」など、米を元にしたさまざまな加工品が生まれました。
ベトナムでは、ライスペーパーを生春巻きに使うのは一部で、ライスペーパーで中華ソーセージや干しエビを巻いた「ボービア」、牛肉を巻いて焼く「ボー・ラー・ロット」、豚皮を使った「ビークォン」、揚げ春巻きの「チャージョー」など、火を通して食べる料理も豊富にあるようです。
こうしたベトナムのお米文化の多様性に触れると、ライスペーパーの新たな魅力に気付かされます。便利なライスペーパーを活用して、アイデア料理に挑戦してみてはいかがでしょうか?
syouryu すずがみ M
https://www.shokunin.com/jp/syouryu/
HASAMI プレート
https://www.shokunin.com/jp/hasami/plate.html
青龍窯 薬味皿 大
https://www.shokunin.com/jp/seiryu/soba.html
大寺幸八郎商店 かなまり 小
https://www.shokunin.com/jp/otera/kanamari.html
小泉硝子製作所 平底蒸発皿 60mm
https://www.shokunin.com/jp/koizumi/johatsu.html
柳宗理 ステンレスボール 23cm
https://www.shokunin.com/jp/yanagisori/bowl.html
参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/ライスペーパー
https://macaro-ni.jp/110457
https://www.youkitrading.co.jp/ja/story/index.html
https://www.travelwith.jp/area/asia/vietnam/danang/topics/post-11938/
https://note.com/kenndo/n/nbf861e9d1583
https://www.oil.or.jp/topJiji/bn19.html
https://www.bras-de-chef.com/recipes/ゴイ・クォン%E3%80%80【ベトナム】/
『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』本山尚義・著(ライツ社) P.181