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【京都の酒どころ、伏見で酒蔵めぐり】

日本三大酒処の一つである、京都の南の玄関口「伏見」。かつて「伏水」とも書かれていたほど質の高い伏流水が豊富で、現在も20以上の酒蔵が集まります。

伏見は、安土桃山時代から江戸時代にかけて開発が行われ、京都と大阪を結ぶ水運の拠点として栄えました。酒造りが盛んになると、伏見の川には酒やその原料となる米などを運ぶ輸送船などが行き交いました。現在運航している十石舟は、屋形船仕様の遊覧船で、特に桜の時期は大変にぎわいます。一升の酒に、八升の水がいるといわれる酒づくり。伏見では、桃山丘陵をくぐった水が、地下で水脈となり、山麓近くで湧き水となって現れます。日本を代表する酒どころとなったのも、この天然の良質な地下水に恵まれていたことが大きな要因です。

まず訪れたのは、「月桂冠大倉記念館」。1637年(寛永14年)創業の月桂冠の功績や歴史、文化などを広めるため、創業350年にあたる1987年(昭和62年)から一般公開されており、2024年2月にリニューアルオープンしました。入場すると、試飲用の「月桂冠」と書かれたお猪口と、試飲用メダルを3枚、試飲ができないドライバーには日本酒のお土産をもらえます。創業から現在までの歴史や、京都市有形民俗文化財の指定を受けている月桂冠の酒造用具などの展示を見終わったあとは、きき酒処でお待ちかねの試飲タイム。

機械にメダルを入れると、お猪口一杯分のお酒が注がれる仕組みです。味の特徴などが書かれたリストを見ながら、記念館の限定酒や京都限定のお酒など、いろいろと飲み比べをするのは盛り上がりますし、大人は楽しいこと間違いなし。きき酒処の外には桃山丘陵の地下水を汲み上げた井戸があり、こちらは創業当時から湧き出る「さかみづ」と呼ばれる名水です。やわらかい口当たりの中硬水で、鉄分が少なく酒造りに適しており、現在も醸造にも使用されています。自由に飲めるので、試飲用のお猪口を使ってこちらも忘れずに味わいましょう。スタイリッシュな空間にずらりと並ぶ日本酒が圧巻のショップでは、試飲したお酒もすべて購入可能です。

ほろ酔い気分で次に訪れたのは、「キザクラカッパカントリー」。こちらは、1925年(大正14年)創業の黄桜の「黄桜記念館」という企業博物館やレストラン、ショップが併設する複合施設。黄桜記念館では、酒造りの工程や河童にまつわる資料が展示されています。昭和30年代からの黄桜のおなじみのテレビCMが上映されていて、皆さん思わず立ち止まって懐かしんでいました。ショップには、日本酒はもちろん、京都のお土産屋でよく見る「京都麦酒」などさまざまな黄桜の商品が並び、黄桜らしいカッパのイラストが描かれた純米吟醸や、黄桜の酒蔵仕込みの生塩麹、伏見の水「伏水」などを購入し、敷地内に並ぶテーブルでひと休み。伏水を飲んだ時、すっきりとまろやかで癖がなく、本当においしいお水だと感じました。

職人.comでは、日本酒の繊細な色、味、香りを最大限に楽しめる酒器を数多く取り揃えています。廣田硝子の「究極の日本酒グラス」は、お酒のプロとガラスのプロが日本酒の味と香りを楽しむために開発した、特別な形のグラス。酒の香りと米の旨味をふんわりと包み込む純米酒向けの「蕾」と、華やかな香りが花のように立ち上がる大吟醸向けの「花」のセットは、そのシルエットを見ただけでも手にとってしまいたくなる美しさ。桐箱入りのため、伏見の日本酒と共に、贈り物にも大変喜ばれることと思います。

廣田硝子 究極の日本酒グラス
https://www.shokunin.com/jp/hirota/nihonshu.html
月桂冠大倉記念館
https://maps.app.goo.gl/6WtHXhqM78Hruu3D7
キザクラカッパカントリー
https://maps.app.goo.gl/9mbDDgxdsNCv9BqN9

参考資料
https://www.fushimi.or.jp/guide/index.html
https://ja.kyoto.travel/trip/theme04/plan01.php