【エスカベシュと南蛮漬け】
夏は、冷えたアジの南蛮漬けや野菜の揚げびたしを食べたくなるのは私だけでしょうか?食欲のないときでも、甘酸っぱくしっかりした味の料理に食やお酒が進みます。
この南蛮漬け、「エスカベシュ」というスペインやポルトガルの料理が起源といわれています。エスカベシュは、揚げたり茹でたりした魚や肉を、酢、油、スパイス、玉ねぎやニンジンなどの野菜で漬け込んだマリネの一種で、地中海地域やラテンアメリカ、フィリピンでも広く親しまれています。エスカベシュの名前は、ペルシア語の「سَكَبَج(sikbāj)」に由来し、「酢漬け」を意味します。この料理法は、アラブ文化がイベリア半島に影響を与えた中世にスペイン・ポルトガルへと伝わり、エスカベシュは食材を保存するための方法として利用されました。
一方、「南蛮漬け」は日本料理の一つで、おもに小アジやイワシ、ワカサギなどの魚を揚げたあとに、酢と醤油、砂糖、みりん、唐辛子などで作った漬け汁に漬け込んだ料理です。玉ねぎ、人参、ピーマンなどの野菜も一緒に漬け込まれます。南蛮漬けの「南蛮」とは、南蛮貿易の16世紀半ばから17世紀にかけて日本に訪れたポルトガル人やスペイン人のこと。彼らがもたらした料理法や食材に影響を受け、日本独自のアレンジが加えられて生まれた料理が南蛮漬けになりました。エスカベシュと類似していることから、これが原型であると考えられています。
ちなみに「野菜の揚げびたし」は、なすやピーマンなどの野菜を素揚げし、出汁、醤油、みりんなどのつゆに漬け込んだ料理で、旬の夏野菜をたっぷり摂ることができます。南蛮漬けと揚げびたしの違いは、酸味があるかないか。どちらも熱いうちに出汁や漬け汁に漬けることでしっかりと味がしみ込み、おいしく食べることができます。
こういった夏の料理に使用したいのは琺瑯の保存容器です。酸や塩分に強く、耐熱性・冷却性に優れたガラス質の琺瑯は衛生的な素材で、保存する料理には最適です。写真はカレイのエスカベシュ。小笠原陸兆のフライパンで色よく揚げたカレイを、野田琺瑯のレクタングル深型Lに入れ、同じフライパンで軽く炒めた千切りの野菜と一緒に調味料で漬け込んだものです。粗熱が取れたら蓋をして冷蔵庫でしっかりと冷やし、お気に入りのお皿に盛り付けて出来上がり。ガラスや錫といった素材は冷たい料理と特に相性が良く、見た目も涼しげに感じられます。暑いと食欲が落ちがちですが、旬の食材をおいしく食べて残暑も健康に過ごしたいですね。
小笠原陸兆 フライパン
https://www.shokunin.com/jp/rikucho/fryingpan.html
ヨシタ手工業デザイン室 千切りピーラー
https://www.shokunin.com/jp/yoshita/peeler.html
野田琺瑯 琺瑯容器(琺瑯蓋) レクタングル深型L
https://www.shokunin.com/jp/noda/horo.html
本間数勇商店 わら鍋敷き 中
https://www.shokunin.com/jp/honma/nabeshiki.html
fresco kasumi plate M
https://www.shokunin.com/jp/fresco/kasumiplate.html
syouryu すずがみ M
https://www.shokunin.com/jp/syouryu/
参考資料
https://www.asahi.com/ads/clients/bonmarche/recipe/recipe20170713.html (レシピ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/エスカベシュ
https://kotobank.jp/word/南蛮漬け-897541