【にしむら珈琲店】
神戸っ子にも観光客にも愛される神戸の喫茶店「にしむら珈琲店」。初めてにしむら珈琲店に行った時、京都のイノダコーヒ、神戸のにしむら珈琲店だ、と感じました。
にしむら珈琲店は、戦後まもない1948年に開業し、現在は神戸を中心に計9店を展開しています。古くから、コーヒーに使用する水は銘水「宮水」を、西宮の菊正宗の井戸から毎朝汲み上げて使用しているというから驚きです。こだわりのコーヒーやケーキ、ゆったりとした客席、漂う老舗の風格、土地に根ざした店舗展開などから、京都でいうイノダコーヒのような存在だなと思っていたところ、置いてあったにしむら珈琲店の創業者の伝記にイノダコーヒと関わりがあったことが書かれていて、納得しました。
ケーキやジュース、フードなど、どれも種類が豊富で、神戸の定番モーニングとも言えるであろう、にしむら珈琲店のカクテルフルーツがキラキラと輝く「フルーツセット」の飲み物は、コーヒーや紅茶のほかにミックスジュースも選べます。店舗によって内装・外装や、特徴がさまざまで個性があることも、にしむら珈琲店の魅力の一つ。いつか、にしむら珈琲店を全店コンプリートすることがささやかな夢である私が、これまでに訪れたおすすめのお店をいくつかご紹介します。
まずは、にしむら珈琲店の創業店である「中山手本店」。北ドイツ風の木組みの様式で神戸のランドマークとなっているこの店舗は、実際に行ってみると大通り沿いにビルのようにそびえ、なかなかの迫力。安心感のあるキャパシティーで席数が多く、にしむら珈琲店の中では比較的カジュアルでにぎやかな印象です。
北野にある「北野坂にしむら珈琲店」は、1974年に日本初の会員制喫茶店として開店した特別なお店。にしむら珈琲店と聞くと、まずこちらの店舗を思い浮かべる方も多いかもしれません。各界著名人など多くの会員が利用していましたが、1995年の阪神大震災を機に一般客にも開放されました。1階は喫茶、2階はレストランになっています。オーナーが戦時を過ごした上海の英国風洋館をモチーフにしていて、店構えから店内のアンティークの調度品までシックでエレガント。まさに、「大人の秘密の隠れ家」という感じです。
神戸の玄関口、JR三ノ宮駅前に位置し、最も多くの人が訪れるのが「三宮店」。便利な場所にありながら、古くからのにしむら珈琲店の雰囲気を損なわず、客席もゆったりとしていて、個人的に最も訪れている店舗です。くすんだブルーのふかふかの椅子もすてきで、特に2階は日当たりがよく居心地抜群。ビジネス、グループ、ファミリーなどさまざまな客層が利用していますが、席の配置にゆとりがあるため各々の時間を過ごすことができます。
最後に、先日初めて訪れた「ハーバーランド店」。海の近くのショッピングセンター内にあるにもかかわらず、自然光が入り、開放感がある落ち着く店内。こちらで頼んだキウイジュースは、果肉のフレッシュさ、粒や氷のシャラシャラとした食感がしっかりと感じられて、暑い中ハーバーランドを歩き回ったあとの休憩にもってこいでした。
モーニング、ランチ、カフェと、さまざまなシーンで利用できるにしむら珈琲店。神戸に行かれた際は、にしむら珈琲店で優雅な時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。ぜひ、お気に入りの店舗、メニューを見つけてみてください。
にしむら珈琲店
https://kobe-nishimura.jp/
にしむら珈琲店 中山手本店
https://maps.app.goo.gl/hRVkk6zSpDMkAjc5A
北野坂にしむら珈琲店
https://maps.app.goo.gl/E1QN2xf2xY2pWFQf7
にしむら珈琲店 三宮店
https://maps.app.goo.gl/64Hef7orNPy9npBWA
にしむら珈琲店 ハーバーランド店
https://maps.app.goo.gl/Xajk7wwtkwj55qr47
参考資料
日野嗣士『神戸っ子の応接間: 川瀬喜代子と神戸にしむら珈琲店』アートヴィレッジ(2017)
https://umie.jp/shops/detail/71