【明治屋京橋ビル】
明治屋は、当店銀座ショールームから徒歩圏内にある中央区京橋に店舗を構える老舗スーパーです。1933年(昭和8年)に、イタリア・ルネサンス様式を取り入れ建築されたこのビルは、日本の建築史上重要な建物で、区の歴史や文化に関わりが深く学術上価値が高いものとして、中央区の有形文化財の第一号に指定されています。今では当たり前にある、地下鉄の駅と一体化した民間建造物としては現存する最古のビルだそうです。京橋地区の再開発にあたり、隣接するビルには高さを揃えるプランが採用されており、街並み全体でも調和が取られ、景観に配慮されています。ビルは外壁や室内の一部を建造当時のまま保存されることで、高層ビルが立ち並ぶ中でも当時の姿を大きく変えることなく、地域の新しい顔へと生まれ変わりました。
1885年(明治18年)に横浜で創業した明治屋は、船で使う食品や日用品の納品がおもな事業で、同時にビール販売や食品、お酒の輸入販売が行われていたそうです。明治時代に銀座へ進出しましたが、1923年関東大震災で消失。その後お隣の京橋に強固なビルを構え、時同じくして地下鉄銀座線は京橋まで延長されます。1933年には京橋が本店となり、のちの第二次世界大戦に伴う被害は幸いにも小さかったことで、2023年には移転から90年を迎えました。建築当時は食品に限らず雑貨や文具の取り扱いもあり、舶来品を扱っているモダンな店舗はショーウィンドウなども注目されるランドマーク的な存在だったそうです。再開発の始まる2000年ごろまでは、路地を入ると民家の立ち並ぶ下町風情の残る風景がありました。
現在もモダンなウィンドウは健在で、入口両サイドに設置されたおしゃれなディスプレイが迎えてくれます。安心・安全・おいしさを追求するこだわりの商品が並ぶ店内の柱には、明治屋の歴史を垣間見ることのできる写真が掛けられているのが印象的です。建築ファンも多く、なかでも外壁に設置された特徴的な街灯のファンもいらっしゃるそうです。夕方になるとぼんぼりのように灯るこの街灯は、昔の職人の手作りで、今ではもう新しく作ることのできない貴重なものとなっており、大切に維持されています。
東京駅から銀座ショールームへと向かう経路に、明治屋京橋ストアーはあります。歴史を語り継ぐ貴重な文化財をご覧になってみてはいかがでしょうか?
明治屋京橋ストアー(明治屋京橋ビル)
https://maps.app.goo.gl/Tk95kT94g2yaEPGM6
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html
参考資料
https://www.city.chuo.lg.jp/a0052/bunkakankou/rekishi/bunkazai/shiteibunkazai/meijiyakyobashi.html
https://meidi-ya-store.com/product/
https://www.kyobashi.tokyo/special/interview/10573.html