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【伝建deデジタルスタンプラリー】

先日、伝統的建造物などに関連する面白そうな企画がリリースされているのを見つけたので、皆さまにもご紹介させてください。その名も『日本全国の歴史の町並みを巡ろう!伝建deデジタルスタンプラリー』です。ここでいう「伝建」というのは「伝統的建造物群保存地区(伝建地区)」を指します。このスタンプラリーは、来年の令和7年に迎える伝建地区制度創設50周年を記念し、より多くの人々に伝建の魅力を伝え、そこに暮らす人々との交流を促進しようと企画されました。

伝建地区の制度は、昭和50年の文化財保護法改正によって創設されました。当時の日本では、戦後の国土開発や高度経済成長に伴う大規模な都市開発などによって、伝統的な建物が次々と姿を消し、歴史ある町並みや集落の景観がしだいに失われていきました。その状況を危惧し、昔ながらの風景を大事に保存しながらまちづくりをすることで、地域の生業や生活に新たな息吹を呼び込もうという住民や各自治体の意欲的な取り組みが各地で生じるようになっていました。そんな動きを受け、昭和50年の保護法改正では文化財の一分野として、周囲の環境と一体を成して歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いものとされる「伝統的建造物群」が新たに設けられました。そして同時に、伝統的建造物と景観上密接な関係にある樹木、庭園、池、水路、石垣等を「環境物件」として特定し、それらを含む歴史的なまとまりを持つ地区を伝建地区として定めて保存活用を図る仕組みが整えられました。また、市町村によって定められた伝建地区のうち、特にその価値が高いものは国によって「重要伝統的建造物保存地区(重伝建地区)」に選定されています。

現在では、北は北海道から南は沖縄県まで105市町村127地区が重伝建地区に選定され、3万を超える建物や環境物件が保護されています。たとえば今出川・三条ショールームのある京都府京都市内には、門前町である産寧坂や嵯峨鳥居本、茶屋町である祇園新橋、社家町である上賀茂の4つの地区があります。また写真は、埼玉県川越市にある商家町、川越地区の様子です。文化庁のサイトには、このほかの重伝建地区の一覧やそれぞれの地区で取り組まれている整備や活用の様子なども紹介されているので、気になる方はぜひ一度のぞいてみてください。

ご紹介したスタンプラリーは、令和6年8月7日(水)から令和7年1月25日(日)までの期間に実施されています。参加登録をして全国の重伝建地区を訪れると、スマートフォンのGPS機能を用いてデジタルスタンプを獲得することができるという仕組みです。またスタンプを5つ以上集めると、伝建地区が所在する市町村の名産品が当たる抽選に応募できる特典もあるのだとか。皆さまもこれを機会に、お近くの伝建地区へと足を運び、歴史ある町並みやそこに息づく暮らしの美しさを味わってみてはいかがでしょうか。

ショールームのご案内
https://www.shokunin.com/jp/showroom/

参考資料
https://www.denken.gr.jp/news/2024/05.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000809.000047048.html
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/hozonchiku/index.html
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/hozonchiku/judenken_ichiran.html
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/hozonchiku/pdf/pamphlet_ja_05.pdf
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/others/detail/1318555.htm