【重要文化財・日本橋と橋洗い】
道路標識で「東京まで◯◯km」の目的地とされるのは、皇居でも東京都庁でも東京タワーでもなく、「日本橋」です。1603年(慶長8年)に創架され、江戸幕府開府とともに城下町として急成長を遂げた日本橋地区は、パリやロンドンよりも巨大な、世界でも指折りの都市だったといわれているそうです。そのシンボルでもある名橋「日本橋」が、江戸と全国を結ぶ五街道の起点とされました。水運に恵まれたことから、多種多様な物資が集結・流通した場所でもあります。現在の日本橋は1911年(明治44年)、当時の最先端技術により造られました。起点となる道路元標は、現在も日本橋の中央に埋設されています。元標は車道の路面中央、真上の首都高速高架間に架けられた装飾柱に“道路元標地点”と記されています。
1999年(平成11年)に重要文化財指定を受けた日本橋は、土木技術者と建築家と彫刻家が協同した装飾橋梁(きょうりょう)の代表作です。橋梁の本体と和漢洋折衷の調和のとれた装飾が「意匠的に優秀」であることが評価されています。橋の下の「日本橋川」は、神田川を水源とした東京都千代田区と中央区を流れる一級河川で、隅田川へ合流します。
その日本橋では、地域の恒例行事の一つに「日本橋 橋洗い」があります。この行事は、昭和46年から始められた日本橋の環境美化を目的とした橋の大掃除の会で、地元の町内会や学校関係者、百貨店、周辺企業などが参加して隅々まで磨かれるそうです。今年も約1800人が集まる中、散水車の通った日本橋をデッキブラシでこすったり、高速道路に掛けられた銘板には消防車からの放水と共にブラシがかけられました。行政の清掃として終わらせることなく、地域の方々が一丸となって行われる橋洗いは、街にかかわる皆さんの日本橋愛があふれていて、とてもすてきな文化です。
そして現在の高速道路が架かった日本橋の景観をめぐっては、2005年小泉内閣による“日本に美しい景観を取り戻す”という働きかけ以降、議論が繰り返されていましたが、すでに地下ルートの着工が開始されています。2040年には高架橋が撤去され、日本橋上空に77年ぶりの青空が復活する予定です。日本橋は当店銀座ショールームから徒歩20分です。
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html
参考資料
https://www.nihonbashi-tokyo.jp/discover/
https://www.city.chuo.lg.jp/a0052/bunkakankou/rekishi/kunibunkazai/030621.html
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC167W50W2A610C2000000/
https://president.jp/articles/-/23008?page=1
https://ynks.jp/news/1642/