









【ロシア・ウラジオストクへの旅】
約5年前、友人とロシアのウラジオストクへ旅に出たことがあります。成田から飛行機で約2時間半で着いたその場所は、異世界でした。
当時、旅行先をウラジオストクに決めた理由は至って単純で、ゴールデンウィーク中の海外への航空券の中で一番安かったから。ゴールデンウィーク旅行の計画が出遅れた私たち。どの国への航空券も軒並み高い中で見つけた、4万円台のウラジオストクへの航空券が、輝いて見えました。「日本から一番近いヨーロッパ」という謳い文句も調べる中で目にし、未知への好奇心も相まって即決だったのでした。
飛行機に乗ってあっという間にウラジオストクに到着し、街に出ると、東京から2時間半の世界とは思えない光景が広がっていました。何がそう感じさせたかを考えてみると、まず街並みがヨーロッパ。カラフルで美しい建築が並び、その中にちょこちょことロシア感のある玉ねぎ頭の教会が目に入ります。文字はキリル文字で、まるで暗号のようで面白いくらい1ミリも読めません。そして、すれ違う人々が全員ロシア人。「ロシア人は愛想笑いをしない」とどこかで聞いたことがありますが、街行く人々の表情からそれを実感し、クールな印象を受け、全員がスーパーモデルに見えたのを覚えています。旅先で日本人を見かけることはよくあると思うのですが、日本人、ましてやアジア人ともすれ違った記憶がなく、一瞬で現地に着いたという体感も重なって、異世界にワープしたような不思議な感覚でした。
嬉しい驚きだったのが、食べたものが片っ端からおいしかったこと。味付けは全体的に強すぎず量もちょうどよく、日本人の味覚にも合っていると感じました。食べたのは、サーモンやクリームチーズが巻かれたロシア風クレープ「ブリヌイ」、ロシア版水餃子「ペリメニ」、肉や玉子が入った揚げパン「ピロシキ」、ビーツの深紅色が鮮やかな煮込みスープ「ボルシチ」に、サワークリームと生クリームを使ったまろやかでコクのある味わいの白い「ビーフストロガノフ」など。どれも、写真を見ているとまた食べたいなと思うものばかり。物価も日本より少し安いくらいの肌感で、気兼ねなく食べ歩けました。
観光スポットが多いわけではないコンパクトな街なので、シベリア鉄道の起点駅である「ウラジオストク駅」や、ケーブルカーに乗って行く絶景の「鷲の巣展望台」、軍港としての歴史を垣間見れる「ウラジオストク要塞博物館」、重厚な建築の「グム百貨店」などに行きつつ、ほとんどの時間を街歩きをして過ごしました。カフェが豊富かつリーズナブルで、海があり、街並みも新鮮で、散歩とお茶休憩を繰り返すには絶好の場所でした。ロシアは乳製品の生産も盛んで、飲むヨーグルトがおいしく、コンビニで買って毎朝ホテルで飲んでいたのを覚えています。最終日、私は寒暖差からか体調を崩し、ロキソニンを忘れたことを大変後悔しました。未知の国、というより外国へ行く際は、常備薬をお忘れなく。
文字も読めない、英語も伝わらない国でどのようにコミュニケーションを取っていたかあまり覚えていませんが、その分、目に映った景色、食べた料理の匂いや味、肌で感じた空気が、鮮明に記憶に残る旅となりました。
ウラジオストク駅
https://maps.app.goo.gl/XHTnKwmS1vWX5Tuq5
鷲の巣展望台
https://maps.app.goo.gl/hdVQMBuojCvYXBus6
ウラジオストク要塞博物館
https://maps.app.goo.gl/KzEynPYTsoSkS8RX6
ボリショイ・グム百貨店
https://maps.app.goo.gl/X8wocJ2XW59H1zKCA