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【梅雨】

ベタベタとまとわりつくような蒸し暑さを感じる日本の梅雨。梅雨の時期や夏場は、温度の高さに伴って空気中に含まれる水蒸気量が増えるため、ムシムシとした不快な暑さを感じます。

体感温度は、気温が同じでも湿度や風(気流)の有無などによって変化するようです。汗をかくと、汗が蒸発し気化するときに熱を奪うことで(気化熱)、皮膚の表面温度が下がり涼しく感じるのですが、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温が下がりづらくなってしまいます。そのため、梅雨時にはどうしても蒸し暑さを感じますね。快適な温度と湿度を保つには、除湿すること、空気を循環させることと、カーテンなどで断熱・遮熱することが効果的です。

梅雨という言葉自体は、もともと中国から伝わったとされていますが、語源には諸説あります。一説によると、梅の実が熟す5~6月ごろに降る雨であることから「梅雨(ばいう)」といわれるようになったとのこと。もう一つは、湿度が高くなりカビが生えやすい時期のため、黴(かび)の音読みである「バイ」から「黴雨(ばいう)」になり、カビは印象が悪いので、同じ発音の「梅」を使い「梅雨」と書くようになったというもの。ではなぜ日本では梅雨を「つゆ」とも読むのかというと、葉っぱの「露」や、梅の実が熟して潰れるという意味の「潰(つい)ゆ」からではといわれていますが、江戸時代から使われている「つゆ」の始まりは、明確には分かっていないそうです。

古くから日本の生活に根づき、今も伝統的な手法で作られ続けているうちわ。うちわは扇いで風を起こし、体の周りの湿度の高い空気がはらわれることで涼しくなります。昔ながらの方法で涼を感じながら、日本の夏の風情を楽しんでみるのはいかがでしょうか?

栗川商店 渋うちわ
https://www.shokunin.com/jp/kurikawa/

参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/梅雨
https://ja.wikipedia.org/wiki/うちわ
https://www.egmkt.co.jp/column/consumer/20210506_EG_067.html
https://johukuji-kids.com/第7話%E3%80%80うちわで扇げば%E3%80%80何故涼しい?/
https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/A-10569-850?locale=ja (ColBase:歌川国芳『東都御厩川岸之図』)