





【北九州市平和のまちミュージアム】
かつて「小倉陸軍造兵廠(ぞうへいしょう)」のあったその場所に、2022年に開館された「北九州市平和のまちミュージアム」。小倉陸軍造兵廠で製造されていた風船爆弾の模型展示や、1945年8月8日の八幡大空襲、そしてその翌日、小倉上空に原爆を搭載したB29が飛来し、長崎へと向かった出来事を追体験することができる360度シアターなど、小規模ながらもとても見応えのあるミュージアムです。
円形のドームシアターでは、迫力のある映像で映画のようにストーリーが進んでいきます。360度のシアターは、平和に関する資料館では日本初の設備です。映像は市民の方からの貴重な証言を基に構成されており、当時の時代背景が分かりやすく伝わってきます。また、映像中に出てくるアメリカ軍が日本に向けて出撃してきた場所や時間帯、八幡の空襲で使われた焼夷弾の形なども、細かい検証に基づいて作り込まれ、リアルに感じられるからこそ、本当にあったんだね、悲しくなる、かわいそう、息子たちからもそんな言葉が漏れていました。
戦地にいる息子へ宛てた母親の手紙(実物)の前では、私は少しの間動けなくなっていました。我が子が不安にならぬよう心が揺らがぬよう、必死に絞り出したであろうその字は、母親の愛情でいっぱいでした。
ミュージアムのある場所は、たくさんの木々に囲まれ、奥には緑の屋根の中央図書館(文学館、子ども図書館)が見え、お散歩をしている親子の笑い声なども聞こえます。戦争は遠い過去の物語ではなく、“本当にあったこと”。それを感じることができるミュージアムだと思いました。
北九州市平和のまちミュージアム
https://kitakyushu-peacemuseum.jp
若松ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/wakamatsu.html