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【雨上がりの南禅寺さんぽ】

先日、雨上がりの夕暮れに、ふらりと南禅寺へ散歩に出かけました。南禅寺は、1291年、亀山法皇が無関普門(むかんふもん)禅師を開山に迎えて開創した、臨済宗南禅寺派の総本山です。京都と鎌倉にはそれぞれ、五山と呼ばれる5つの大きな禅宗寺院がありますが、南禅寺は1386年、足利義満によって、京都五山および鎌倉五山の上に置かれる「五山之上」、つまり別格とされ、禅界最高の格式を持つお寺として隆盛を誇りました。

と、そんなすごいお寺なのですが、私は夕暮れ時、人の少なくなった南禅寺の三門に腰掛けて、自然の音に耳を澄ませるのが大好きです。風の音や水の音、メジロ、シジュウカラ、エナガ、イソヒヨドリ、いろんな鳥の声が聞こえます。ちなみにこちらの三門は、重要文化財に指定されており、日中は上に上がることができます。何百年も人が上り下りしてつるつるになった急な階段を上るのはちょっとスリルがありますが、京都の街を一望できて気持ちがいいです。

三門から境内の奥に入っていくと、レンガの水路閣があります。1888年に琵琶湖から水を引くために造られ、今も現役で活躍中です。設計者である田辺朔郎が意図したとおり、すっかり古色を帯びて景観に溶け込んでいます。ロマンを感じさせる佇まいはファンも多く、水道橋目当てで訪れる人もいるほど、南禅寺ならではの魅力の一つとなっています。この日は水道橋の近くに米粒ほどの大きさのメタリックシルバーに輝く蜘蛛がいて、夕日にキラキラ光っていました。

境内の内外には細い水路があり、覗くとあちこちでサワガニが食事中でした。小さなカニですが、手を伸ばすとさっと穴に隠れてしまうもの、勇ましくハサミを振り上げて立ち向かってくるもの、そっと寄ってきて遊んで(?)くれるもの、びっくりするほどそれぞれに個性があります。水路にはきれいな水が流れていて、運が良ければ小さなお魚も通ります。ものすごいスピードで飛ぶように泳いでいくので、何の魚なのか、私はちゃんと姿を見れたことがありません。

京都は街と自然が近いとよくいわれますが、実際ちょっと目を凝らしてみると、いろんな生き物に出合うことができます。千年の都、というと、人間の歴史ばかりに目が行きがちですが、人間が長い時間をかけて育んできた文化や暮らしの気配と、人間を育んできた自然の気配、それらが溶け合っているところに、本当の歴史があるのではないか、そんなことを考えたりします。

京都にお越しの際は、ぜひ自然の近くをぶらぶらと歩いてみることもおすすめしたいです。いつもとはまたひと味違った魅力に出合えるかもしれません。

南禅寺
https://maps.app.goo.gl/wfufe4mirUxybZYi6
ショールームのご案内
https://www.shokunin.com/jp/showroom/

参考資料
https://www.keihanhotels-resorts.co.jp/the-thousand-kyoto/sight/gion-higashiyama/nannzennji.html