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【井上商店のしそわかめ】

常に我が家の冷蔵庫にないとソワソワしてしまう、ご飯のおともがあります。井上商店の「しそわかめ」です。

井上商店は、1871年(明治4年)に山口県萩市で創業し、海藻や海苔などの海産物を中心とした水産加工品を開発・販売してきました。山口県を代表する名産品でもあるしそわかめは、程よい塩味とソフトな食感が特徴です。もともと萩地方には、漁師がわかめを干して細かく刻み、ご飯に混ぜて食べる習慣がありました。この食文化の中で育った先代社長が、おいしさを広めたいと商品化を志し、5年あまりの試行錯誤の末に生まれたものが、しそわかめです。1975年の開発当初、市場にはカリカリと乾燥したふりかけばかりで、おそらく日本初の「ソフトふりかけ」の誕生でした。

初めのうちは、水分を含んだわかめふりかけは常識外で、なかなか受け入れられなかったしそわかめですが、そのおいしさはじわじわと広まり、今では全国のスーパーで購入することができます。お弁当のご飯にかけるとその日のお弁当が楽しみになりますし、家でホカホカの白ご飯にかけると蒸気を吸って更にしっとりとして、磯の香りが食欲をそそります。

そして、このしそわかめの良いところは、そのやわらかな食感と、絶妙なわかめの塩味、しその酸味、そして胡麻が入っていることからから、ふりかけの域を超えて、薬味や調味料のようなさまざまな使い方ができるところにもあります。玉子かけご飯の醤油の代わりに、またはそばやそうめんの上に、スープを作って具がさみしいなというときも、しそわかめをパラリと振りかける。最後にひと振りすると、味も見た目も決まる、なんてことがよくある、控えめながらも頼もしい存在なのです。

以前、初めて萩にある井上商店の本店へ行ったところ、ご飯のおとものラインナップの多さにびっくりしました。安定のしそわかめのほかにも、夏みかんわかめや、辛子明太子わかめ、しそひじきに梅ひじきなど、どれも魅力的。山口県限定で、発売当初の味を再現した「復刻版しそわかめ1980」という商品もあり、こんなお土産もらったら嬉しいな、と思いながら店内を見て回りました。山口土産やちょっとした贈り物に、また自分の家の食卓にも、気になった方はお近くのスーパーにしそわかめを探しに行ってみてはいかがでしょうか。

萩・井上ウェブショップ
https://webshop.hagiinoue.co.jp/
復刻版しそわかめ1980
https://webshop.hagiinoue.co.jp/sisowakame1980
青龍窯 飯茶碗
https://www.shokunin.com/jp/seiryu/chawan.html
白山陶器 平茶碗
https://www.shokunin.com/jp/hakusan/hirachawan.html

参考資料
https://www.yama-kei.com/upfiles/catemain17/630/interview_2309_inoeshoten.pdf