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【門司港 バナナの叩き売り】

バナナの叩き売りは、日本の本州と九州を隔てる関門地域で発展した、競り売りでバナナを売る伝統芸能です。輸送する際に船中で熟してしまったバナナをいち早く売りさばくために大正初期に生まれたといわれています。戦時中に一度途絶えましたが、地元住民の努力で1976年にに復活し、現在は「門司港バナナの叩き売り連合会」により、その歴史や口上が保存・伝承されています。そして、2017年4月には「関門“ノスタルジック”海峡」の構成文化財の一つとして、日本遺産に認定されました。

そんなバナナの叩き売りで、先日初めて“買う”ことをしました。バナナの叩き売りは基本、高い価格から徐々に値を下げていくダッチ・オークション形式ですので、少し待ちなさいと言い聞かせてから挑んだのですが、早く買いたい息子は早々に千円札を握り締めて前へ出てしまい、それに続いてほかの子供たちも次々と買いに出てしまったため、大変申し訳ない状況になってしまったわけなのですが…、そんな状況でも巧みな話術とテンポで会場を沸かせ、更に売り上げへとつなげるパワーは圧巻でした。人間だからこそできる技だと思います。人の心を動かす商いは、講談や落語などにも通ずるようにも感じました。

バナナの叩き売りで買ったバナナは、昔のようにすぐに食べてしまわないといけないようなバナナではなく、とてもきれいで立派なバナナ。ずっしりと良い重みを感じました。「ママもあれぐらいしなきゃ」。買ってすぐに、ドヤ顔でおいしそうにバナナを食べている息子に言われ、少し悔しくも妙に納得した私でありました。

若松ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/wakamatsu.html

参考資料
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/3489/
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/moji/file_0067.html