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【お粥】

胃腸が少し弱っているときや、風邪のときに食べるイメージのあるお粥ですが、消化が良く体を温めてくれることから、体調管理や健康のために普段から食べられている方もいらっしゃるかと思います。

考古学では、弥生式土器に見られるご飯のおこげのあとや、吹きこぼれたあとなどは、お粥を炊いたときのものと考えられているそうです。稲作が開始された当初、米は煮て調理するのが一般的で、その後、蒸して食べる方法が登場し、釜で炊くようになったのは中世になってからだといわれていますが、米を煮ることで作るお粥の歴史は相当長いものと言えます。

また、お粥といえば、現在では水を多くして米を柔らかく炊いたものを指しますが、古くは粥には「固粥(かたがゆ)」と「汁粥(しるかゆ)」の二つがあり、固粥は今でいう固めに炊いた普通のご飯、そして汁粥が現代の「粥」を意味していました。今日ではお粥=汁粥ですが、今でいう「白ご飯」も「粥」と呼ばれていたことが興味深いです。

仏教ではお粥には十の高徳があるという教えがあり、800年近く前からその効能が伝えられてきました。その中に、「楽:食べすぎとならず体が安楽」というものがあるのですが、お粥は多めの水で炊くことでかさが増し、ご飯と同じお茶碗一杯分でも十分な満足感を得られます。また、熱々のお粥を冷ましながらお箸でゆっくり食べることで、体に負担をかけがちな「早食い」と「爆食い」の予防にもなります。確かに胃もたれや、食べ過ぎによるしんどさがありません。お粥がダイエットにも効果的、といわれるのは、カロリーの面だけではなく、このように自然と少量でも満足できる食べ方もポイントになっているのではと思います。

最近は松山陶工場の行平鍋5号を使ってお粥を作っています。炊いている最中の良い香り、お粥をすくったときに理想的な出来上がりだったときの嬉しさ、そして熱々を冷ましながらゆっくりと口へ運ぶときの幸福感。ライブ感がたまりません。伊賀の耐熱土のみを使用した昔ながらの行平鍋はしっかりと熱を蓄えてくれるので、火を切ったあとも最後まで温かいお粥を楽しむことができます。そして、お粥を炊いていたらうっかり吹きこぼれてしまった...というのはよくあることですが、こちらの行平鍋、できるだけ吹きこぼれが少ない方法で炊くことができますので、お持ちの方はぜひお試しくださいませ。

[材料](2人分)
米 1/2カップ
水 550ml

[作り方]
1. 米は水で洗ったあと、30分(夏)~1時間(冬)ほど吸水させる。
2. 吸水させた米を水と一緒に行平鍋に入れる。
3. 蓋をしない状態で2を強火にかける。
4. 沸騰したら弱火にし、沸騰が落ち着いたら蓋をして20分炊く。吹きこぼれるときは少しだけ蓋をずらす。
5. 好みの水分量になったら火を止め、一度だけ底からかき混ぜて出来上がり。(かき混ぜすぎると米が崩れて粘りが出るため)

松山陶工場 行平鍋 5号
https://www.shokunin.com/jp/matsuyama/
本間数勇商店 わら鍋敷き 小
https://www.shokunin.com/jp/honma/nabeshiki.html
一菱金属 すくいやすく注ぎやすいレードル
https://www.shokunin.com/jp/ichibishi/
白山陶器 平茶碗 ST16
https://www.shokunin.com/jp/hakusan/hirachawan.html
七草粥とお粥の効能
https://jp.shokunin.com/archives/52011041.html

参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B2%A5
https://okayuworld.com/study/kojien/#index_id8
https://www.komenet.jp/bunkatorekishi/bunkatorekishi04/bunkatorekishi04_2