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【途中下車散歩】

小樽へと向かうバスの中は、いつも移りゆく車窓をぼんやりと眺めています。個人的には左列の座席から山々を眺めるのが好きなのですが、少し前まで雪を被っていたはげ山が、もうすっかり新緑に染まっていることに喜びを覚えました。そしていつもは終点の小樽駅前まで乗車するのですが、ふと思い立って少し前の奥沢口という停留所で下車して、のんびり散歩しながらショールームに向かうことにしました。

奥沢口の停留所のすぐ横には勝納川という川が流れており、近くには南樽市場という趣ある市場があるのですが、日曜は残念ながら定休日ということで、南樽市場の探検はまたの機会にすることにします。勝納川の心地よい水音に誘われて側を歩いていくと、河岸にこいのぼりを発見しました。南樽市場横の勝納川は、端午の節句の前後になると、実に300匹以上のこいのぼりや大漁旗で色とりどりに飾られるそうなのですが、ちょうどその日はこいのぼりたちの店じまいの日だったようです。大役を果たし、引き上げられるのを待つこいのぼりたちはなんだか物寂しげです。

ぶらりと歩いて、鉄道の陸橋をくぐりました。橋脚が石とレンガで積まれていてとても趣があります。少し調べてみると、周辺には同じようにレンガ積みの橋脚を持つ陸橋がいくつかあるようで、なかには高さ制限1.7mというとても低い陸橋もあるといいます。頭上を列車が通過する様はかなり迫力がありそうです。今度探してみようと思います。

更に歩いて、手宮線跡地の片端に辿り着きました。手宮線は、1880年に北海道で初めて開通した「官営幌内鉄道」の一部で、1985年に廃線となった鉄道路線であり、現在はその配線跡が約1.6kmに及ぶ遊歩道として整備されています。当時使用されていた線路や遮断機などが残されており、フォトスポットとしても人気です。遊歩道は、遅咲きの八重桜やタンポポなど春の花々が咲き誇り、とても華やいでいました。そうこうしているうちに辺りは見慣れた風景に囲まれ、愛着ある淡いブルーの建物へと辿り着きました。普段とは違う通勤ルートはとても新鮮で、気になるお店や建物も発見できたので、たまにはこんな遠回りの出勤もいいものだなと思いました。そしていつもの倍くらい坂道を歩き、「坂の街」を改めて実感し、良い運動にもなりました。

さて、まだまだ春を感じる小樽の街ですが、小樽ショールームにはひと足先に涼やかな商品が到着しています。熊本県にて400年以上続く来民うちわの歴史を紡ぐ栗川商店の「渋うちわ」や、岡山県倉敷市にて1点1点手編みされる須浪亨商店の「いかご」をはじめ、清々しい空気感のある品々をぜひ見にいらしてくださいませ。

小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html
栗川商店 渋うちわ
https://www.shokunin.com/jp/kurikawa/
須浪亨商店 いかご
https://www.shokunin.com/jp/sunami/ikago.html

参考資料
https://otaru.gr.jp/tourist/kkatunaigawanokoinoborimitekimasita4-16
https://www.otaru-journal.com/2024/04/post-99118/
https://otaru.gr.jp/project/otarujishin-202204-tetsudo
https://ja.wikipedia.org/wiki/手宮線
https://www.visit-hokkaido.jp/spot/detail_10528.html