1

2

3

4

【木で作る】

当店で取り扱う木製の商品の数々は、日本の伝統的な木材加工技術により製作されています。古くから伝わる日本の道具に木製が多い理由は、「森林率」と関係が深く、木と共に暮らす「木の文化」が育ちました。

学生時代に学んだ覚えがある方も多いと思いますが、国土面積に占める森林面積の割合を「森林率」といいます。日本の森林率は67%で、国土の2/3が森林です。世界でもフインランドやスウェーデンに次いで、日本の森林率は第3位です。『日本書紀』には40種類以上もの樹木が記録されており、スサノオノミコトは、スギとクスノキは舟に、ヒノキは宮殿に、マキは棺に使うよう命じたといわれています。日本人は太古より、森林から得られる木材の特性を生かしつつ、多種多様な用途に無駄なく利用してきました。

木の製品には、挽物、刳物、曲物、指物、結物などがあり、それぞれに職人の高い技術が込められています。ショールームでは、お客様に商品の使い方などをご説明することが多いのですが、作られる工程などもお伝えすると、商品の細部を見つめるようにご覧くださり、より興味をお持ちいただけるようです。

挽物(ひきもの)とは、ろくろや旋盤を使い木材の表面を刃物で削って器など丸い物に加工する技術や製品のことをいいます。平安中期には、近江で「轆轤師(ろくろし)」と呼ばれる職人が生まれました。木のどの部分を取るかにより、木を輪切りにした縦木取りと中心部をずらして板目方向の横木取りがあり、地域や用途でも異なります。お椀やお盆、物入れなどが挽物です。

刳物(くりもの)とは、木をのみやなたなどの刃物でくり抜いたり鉋で成形する技術や製品のことをいいます。木工技術の中で一番歴史が古く、杓子、へら、匙から、大きな物は鉢や臼など、今も手作業で作られます。

曲物(まげもの)とは、ヒノキやスギなど針葉樹の真っ直ぐでうっすら線が入ったような柾目の薄い板を曲げて整形する技術や製品のことをいいます。曲げわっぱのほうが聞きなじみがあるかもしれません。筒状にし、合わせ目を樺や桜の皮で綴じたものに底板や蓋を付けたお弁当箱やおひつ、神具として作られた三宝や盆やひしゃく、お椀や容器などがあります。

指物(さしもの)とは、物差(指)しで板の長さを測り、釘などを使わずに機能と美しさを考慮した接続方法で箪笥や箱、机などを作る技術や製品のことをいいます。木材を継ぎ足す矧手(はぎて)、板が反らないように、また木口隠しのために両端に木材を組み込ませる端喰、枠の角を接ぐ留めなど、木に加工をし木材のみで接続します。

結物(ゆいもの)とは、桶や樽を作る技術で、主にヒノキ、スギ、サワラで短冊状の測板を作り、それを円形に並べ、箍で締め、底板や蓋を付けたものをいいます。寿司桶など桶が作られ、結物の容器は水分を含むことで木が膨らむ性質が生かされ、密閉性、耐久性、耐水性に優れています。

ショールームでは、このような伝統技術が見られる商品を展示しています。同じものが二つとない木目、細部までとても美しい施し、手に取ったときの温かみを感じることができるのが木製品の魅力です。どうぞお手に取ってじっくりとご覧ください。

薗部産業 めいぼく椀
https://www.shokunin.com/jp/sonobe/wan.html
我戸幹男商店 片口 鶴仙
https://www.shokunin.com/jp/gato/kakusen.html
栗久 曲げわっぱのお弁当箱(無塗装)
https://www.shokunin.com/jp/kurikyu/mutosou.html
SyuRo ペーパーウェイト
https://www.shokunin.com/jp/syuro/paperweight.html
山一 すし飯台
https://www.shokunin.com/jp/yamaichi/sushi.html
ショールームのご案内
https://www.shokunin.com/jp/showroom/

参考資料
https://nihonkogeikai-east.jp/bukaishokai/mokutiku-bukai.html
https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0105/19.html
https://www.shinrin-ringyou.com/mokuzai/nippon.php