




【うばたま】
「うばたま」とは、アヤメ科植物の桧扇の実のことを指し、黒や夜闇の枕詞として使われます。和菓子のうばたまは、黒くて丸い形がこの実によく似ていたことから菓銘(かめい)とされたそうです。
あんこに目がない身としては、この黒く輝く宝石のような姿を見て、素通りすることができず、うばたまを見かけるとついつい手が伸びてしまいます。なかでもおすすめは、京都市下京区に本店がある仙太郎の「老玉(うばたま)」です。仙太郎の老玉は、餡がおいしいのはもちろんですが、外にかける寒天衣に、沖縄産の黒糖を羊羹状にしたもので衣がけをしているので、中の餡との境目がほとんどなく、いつの間にか溶けてなくなっているような...スッと気持ちよく食べることができます。夜の色のように美しい老玉を一つ、シンプルな錫のプレートにのせて、銀の和楊枝で綺麗に割って断面を楽しむのも素敵だと思います。
仙太郎の理念に、「自分の生まれ育った処の風土が育むものが一番体になじみやすく、体にやさしい、即ちおいしい」とあり、国産の原料にこだわられています。もともと老玉の頂にのせていた「けしの実」は栽培禁止となったため、代わりに胡麻をのせるようになったのですが、国産の胡麻も入手困難と分かり、日本の農業の未来を憂いて自社で胡麻の栽培を始められたそうです。
日本の職人の気質が感じられる仙太郎の老玉。東京では、職人.com銀座ショールームから徒歩6分ほどの銀座三越にて購入可能ですので、立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
仙太郎
https://www.sentaro.co.jp/
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html
syouryu すずがみ SS
https://www.shokunin.com/jp/syouryu/
宮本商行 和楊枝
https://www.shokunin.com/jp/miyamoto/wayouji.html
参考資料
https://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/special/yama/news/2012/121024belamcanda.htm