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【真鍮】

「真鍮(しんちゅう)」という素材。雑貨やインテリア用品でよく目にするものの、実はあまりよく知らないという方が多いのではないでしょうか。真鍮は、銅と亜鉛の合金で、身近なものだと5円玉も真鍮でできています。

真鍮は、「黄銅」とも呼ばれ、主に亜鉛の含有量が20%以上のものを指します。銅と亜鉛の割合のバランスは物によってさまざまで、亜鉛の含有量が多いと黄金色で硬く、少ないと赤みが強く柔らかくなります。真鍮の歴史は紀元前1000年ごろからと古く、腐食しにくく加工しやすいという特徴があることから、美術工芸品や建築金物のほか、その澄んだ音色から仏具や楽器の素材としても多く使われてきました。真鍮の英語表記は“brass”で、音楽のブラスバンドで使われるトランペットなどの楽器も真鍮で作られています。当店で取り扱う中で、特に真鍮製の商品を多く取り揃えているのが「FUTAGAMI」と「能作」。どちらも富山県高岡市の伝統工芸品である高岡銅器のブランドです。

FUTAGAMIは、1897(明治30)年に創業した株式会社二上が、2009年にそれまで仏具製造などで培ってきた技術を用いて、デザイナー・大治将典氏と共に立ち上げた真鍮の生活用品ブランド。FUTAGAMIの商品は、ざらりとした鋳肌仕上げ、素材をメッキや塗装で加飾しない素地仕上げを特徴にしており、素材そのものの質感と美しいデザインがマッチして、無垢で、心地よく、かっこいいのです。当店の三条ショールームの照明は、FUTAGAMIのペンダントランプを使用しています。FUTAGAMIの商品をお探しでご来店される方も国内外問わず多く、先日いらっしゃったニューヨークからのお客様は、ニューヨークで最近行ったレストランではどこもFUTAGAMIの「真鍮鋳肌のコースター・光芒」を使っていたとおっしゃっていて驚きました。

能作は、1916(大正5)年に創業し、仏具、茶道具、花器の製造から始まり、現在は錫を中心に銅や真鍮など、伝統的でありながらも革新的な金属製品の製作を手がけています。能作を一躍全国的に有名にしたのが「真鍮の風鈴」。その無駄のない洗練されたフォルムに、真鍮ならではの透き通った伸びのある音色が特徴です。富山県高岡市の鋳物製造技術によりベースが作られ、職人がろくろで仕上げています。こちらも、先日オランダからこの商品をお目当てに、三条ショールームにいらっしゃったお客様が(ただ今展示はございません)。また、5円玉と同じ真鍮製の豚のフォルムをしたデザイン雑貨に5円玉を貯められるという、ユニークな「きんとん」という商品もあり、かわいらしく贈り物にも最適です。

意外と身近にある真鍮ですが、この素材と、日本の伝統的な鋳造技術と日本ならではの感性から生まれた美しいデザインが組み合わさった商品の数々が、国内だけでなく海外からも人々を惹きつける理由なのかな、と近ごろ改めて感じました。使えば使うほど表面が酸化し、アンティークのような独特の味わいが出るため、経年変化を楽しめるのも真鍮という素材の大きな魅力の一つ。長い時間をかけて、自分の変化と共に真鍮の表情の変化を楽しみ、育てていけるなんて素敵です。ぜひ、今後は真鍮という素材にも注目して、お買い物をお楽しみくださいませ。

FUTAGAMI
https://www.shokunin.com/jp/futagami/
能作
https://www.shokunin.com/jp/nousaku/
高岡銅器
https://jp.shokunin.com/archives/52018818.html
三条ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/sanjo.html

参考資料
https://www.futagami-imono.co.jp
https://www.nousaku.co.jp/
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%84%E9%8A%85