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【仙台の牛タン焼き】

2年ぶりとなる東北の旅は、仙台からスタートしました。仙台といえば何よりも真っ先に思い浮かぶのが「牛タン定食」。味がしっかりとなじんだ牛タン焼き、肉に添えられた漬物、炭火の香ばしい香り、白米に麦が混ざった麦飯、刻んだ白ねぎが入ったテールスープ。仙台に行くと何回かに一回は食べる牛タン定食が楽しみで、限られた時間の中今回はどのお店にしようかと悩むのも、私にとって仙台旅の醍醐味です。

今日では仙台名物と名高い牛タン焼きですが、その歴史が始まったのは第二次世界大戦後。GHQの進駐によって駐留米軍が残したタンとテールを有効活用するために、1948年(昭和48年)、「太助」という店の初代店主である佐野啓四郎氏が仙台市内の中心部に牛タン焼き専門店を開いたのが最初とされています。佐野氏は、自身が師事していたフランス人シェフより牛タンのおいしさを説かれ、その後研究を重ねる中で、フランス料理のタンシチューから着想を得、タンを薄い切り身にして塩焼きするという調理法を考案。牛タン焼きは、高度経済成長期に仙台への転勤族や単身赴任者の間で評判になり、また、高たんぱくで脂肪が少なく栄養価も高いことがマスメディアで紹介されたことから健康志向の人々にも支持されました。そうして仙台の牛タン焼きは知名度が向上していき、名実ともに仙台名物と呼ばれるようになったのです。

夕方に仙台に着き、移動の電車内でもまだお店を決められないままだったのですが、取引先の東北工芸製作所さんからの帰り際、スタッフの方に人気の牛タン屋さんを聞いてみました。おすすめしてくださったのは、目の前で一枚一枚焼いてくれるライブ感たっぷりのお店とのこと。向かったのは、その「太助」の味を受け継ぐ「旨味 太助」というお店です。創業以来60年という長きにわたり、「牛たんの旨さを最大限に活かすのは塩である」という先代の言葉を受け継ぎ、塩味の牛タン焼きにこだわったメニューを提供、全国のたくさんのファンを魅了しています。カウンターの目の前には、一枚一枚丁寧に積み重ねられた牛タン、それをご主人が焼き台でテンポよく焼かれるのを見ていると空腹は最高潮に。程よく焦げ目のついた肉厚の牛タン4枚、一気に食べたいのはやまやまなのですが、ご飯やスープとのバランスを取りながら一口一口を大切に食べ進めます。レモンもかけない完成された塩味、そしてしっかりと噛み応えのある牛タンが好みの私にとっては、まさにど真ん中のストライクです。

シンプルな味付けだからこそ、素材の良さが最大限に引き出され、食べ終わるまで全く飽きのこない牛タン定食。「旨味 太助」は、仙台の地下鉄南北線勾当台公園駅から徒歩4分の場所にあります。仙台にお立ち寄りの際には、ぜひ足を運んでみてください。

旨味 太助
https://maps.app.goo.gl/WL5o234vAPxA7a6U8
東北工芸製作所
https://www.shokunin.com/jp/tohoku/nut.html

参考資料
https://www.gyutown.com/gyu_shop/tasuke/
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%99%E5%8F%B0%E7%89%9B%E3%82%BF%E3%83%B3%E7%84%BC%E3%81%8D