











【雪あかりの路】
今年で26回目を迎える「小樽雪あかりの路」が、2月10日17:00より開催されています。小樽の冬を代表するイベントで、小樽の街が暖かみのあるキャンドルの「あかり」に包まれます。このキャンドルの灯りは、イルミネーションのようなキラキラした光とは違い、一つ一つの小さな灯りが揺らぎながら雪に映り、じんわりと周りを照らします。風に吹かれて消えそうになりながらも消えない灯り、消えてしまってもまた人の手で灯りを灯していく、決して派手な装飾はないけれど、大切なものを守りたいというこの優しい灯りが小樽の歴史ある街並みとマッチしているように思います。
この「小樽雪あかりの路」の名前の由来となったのが、学生時代を小樽で過ごした小説家・詩人「伊藤整(いとうせい)」の詩集『雪明りの路』です。「雪あかり」とは、降り積もった雪に、月明かりや家の灯りなどが反射し、真夜中でもほのかに明るく見える様子を表していて、北海道の自然にまつわる詩も多数収録されています。小樽雪あかりの路の公式サイトで引用されている伊藤整の詩「雪夜」は、雪国に住んだことがある方にはスッとその情景が思い浮かぶのではないでしょうか?
「雪あかり」の名のように、その灯りは光り輝くような眩いものではありませんが、地域の人やボランティアなど、多くの人たちによって一つ一つキャンドルに火が灯されると、なんとも暖かみのある灯りが街のあちらこちらで見られます。イベント初日は、雪が降りしきり、コンディションが良いとは言えない状況でしたが、スノーキャンドルの設置をしている方、消えたキャンドルに火を灯す方、滑り止めの砂を撒く方などこのイベントを支える方々の姿が多く見られました。厳しい寒さや、降り積もる雪で困難なことも多い冬の北海道ですが、人々の力を少しずつ集めて作り上げる雪あかりの路のイベントは、寒い夜でもちょっと外に出て歩いてみようかと思わせてくれる、そんなイベントです。
小樽雪あかりの路
http://yukiakarinomichi.org/
小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html