S__101646339

S__101646341

S__101646342

S__101646343

【旭川の熊ボッコ】

「熊ボッコ」は、北海道旭川市にあるお土産専門店「トミヤ郷土民芸」にて製作されている民芸品です。旭川は道内でも特に木工が盛んな地の一つであり、お土産屋さんには数多くの素敵な木工クラフトが並んでいるのですが、その中にいたこの愛くるしい熊の置物に私は一目惚れでした。我が家にお迎えしてからというもの、テーブルや棚の上にちょこんと座っているこの子に日々癒されています。

熊ボッコが誕生したのは昭和31年のこと。当初は現在よりも細身で縦長の形状だったそうで、北海道や東北地方の方言で「棒」を指す「ぼっこ」という言葉からその名が付けられました。素材としては北海道産のエゾマツ・トドマツが使用され、電動ノコギリなどを用いて角材から徐々に形を作り出していく製材・加工、年輪模様を際立たせる焼き、サンドペーパーによる繊細な磨きなど、最後の工程である目描きを含めて、実に12もの工程を経て一体の熊ボッコが誕生するのだといいます。非常に繊細な作業の積み重ねによって生み出されるため、顔立ちと身体が綺麗に仕上がるのはとっても貴重なことで、軽傷重症さまざまな怪我を負ったボッコが誕生することもしばしばなのだそうです。

熊ボッコは全身に見られる年輪模様がとても特徴的です。使用する木材によって、また同一の木材であっても切り出す部位によって年輪の入り方が異なるため、一つとして同じものはないと言えます。また顔と身体の角度にも違いがあったり、焼きの加減によって全体の色味にもバリエーションが生じます。さらに目鼻などを描き入れる職人さんは、出来上がってきた一体一体の年輪の形や色味などの個性を見ながら表情を仕上げていくそうで、たとえ描かれるのは同じパーツであっても、その微妙な位置関係によって完成した熊ボッコたちは少しずつ違った表情を見せてくれるのです。それぞれ少しずつ違ってどれも選び難く、私も一番のお気に入りを選ぶのにはかなり時間を費やしました。

ただただ愛らしさに惹かれて手に取った熊ボッコでしたが、この一体が誕生するまでにかけられた手間と時間を知り、そしてどれほどの愛情が込められていることかと思うと、より一層愛おしい存在になりました。なかなか旭川を訪れる機会がないけれど熊ボッコが気になる!という方は、ぜひトミヤ郷土民芸さんのサイトものぞいてみてくださいませ。熊ボッコに関するあれやこれやが綴られていてとても興味深く読み応えがあり、熊ボッコへの愛情がひしひしと伝わります。

トミヤ郷土民芸
https://www.tomiya-s.com/
小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html

参考資料
https://www.tomiya-s.com/eshopdo/refer/cid17s0m0.html
https://www.tomiya-s.com/eshopdo/refer/vid3-035-1-1.html
https://www.tomiya-s.com/eshopdo/refer/vid3-036-1-1.html
https://www.tomiya-s.com/eshopdo/refer/vid3-159-1.html
https://www.tomiya-s.com/eshopdo/refer/vid3-181-1.html