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【通い缶】

日本茶の専門店にお茶を買いに行くのが、日々の暮らしの中で当たり前だった昭和のころ。持参した茶筒にお茶を詰めてもらう「通い缶」という習慣があったということを最近耳にしました。確かに購入した袋入りのお茶を茶筒に詰め替えるのは一手間ですし、時には余った茶葉の存在を忘れ、いつの間にか劣化させてしまったりと、茶葉の保存に関してはこれといった解決策を見つけられないままでしたので、「必要な分だけ購入する」という通い缶のスタイルに興味を持った次第です。

そこで、使い捨ての容器を避けることでプラスチック包装の削減にも貢献でき、余った茶葉を心配する必要もなくなるならと、このたび私も「通い缶デビュー」をしてみることにしました。バッグの中で万が一蓋が外れても大丈夫なように、お気に入りの巾着にSyuRoの丸缶小の真鍮を入れてお伺いしたのは、1790年創業の老舗茶舗・福寿園。JR京都駅ポルタ地下1階の「きょうこのみ」内にある店舗で、店頭のディスペンサーにて必要な分だけ計量して茶葉を購入することができます。入れてもらった煎茶は約120gで、内蓋をしてちょうど良い量でした。

欲しい物を必要な分だけ買うことができる量り売りのお店は、プラスチック包装の段階的禁止に取り組んでいるフランスをはじめ、スイスやドイツといった環境先進国では珍しくないスタイルで、日本でも都市部を中心に近年身近になってきたようです。もちろん各地域にも量り売りの店は点在していて、調べてみると意外と近くにあるかもしれません。容器を使うたびに洗浄したり乾かしたり、持参するのにかさばったり、最初は面倒に感じるかもしれませんが、自分の使いやすい容器やお気に入りの入れ物に好きなものを詰めるというのは、何だか少しワクワクしませんか?

そういえば、昔は買い物をするにも、近所の八百屋や魚屋には買い物かごを持って行ったり、蓋付きの鍋を持参して豆腐屋に豆腐を買いに行ったり、時にはそれにおからを入れてもらったりと、身の回りのものを容器にして買い物をすることが少なくなかったように思います。野菜や果物などちょっとしたものは新聞紙に包んでもらったり、肉屋で買う肉はプラスチックトレーではなく、木を薄く削って作った経木(きょうぎ)で包まれていました。そんな習慣が当たり前だった時代、海洋プラスチック問題や、世界的に削減や禁止の対象にもなっているプラスチックの包装ゴミは、今よりずっと少なかったのではないでしょうか。

茶葉やコーヒー豆を必要な分だけ買ってみる。SyuRoの丸缶は、そんなスタイルのお買い物におすすめです。東京下町の職人が一点一点手作業ではんだづけを行い丁寧に仕上げられた缶からは、何年もかけて磨き上げた職人技が伝わってきます。日常生活の中で愛着を持って、長く使えるブリキや真鍮、銅を素材とした丸缶は、大量生産ではない、しかし特別な工芸品とも違う身近な物。茶葉などを詰めたらそのまま棚にディスプレイでき、アンティークのような風合いに近づく経年変化を楽しみながらお使いいただけます。

今日はお気に入りの丸缶を持ってお茶を買いに行く。そんな小さな楽しみのパートナーにいかがでしょうか?

SyuRo 丸缶小 真鍮
https://www.shokunin.com/jp/syuro/marukan.html

参考資料
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000026565.html
https://sayamaen-japanesetea.com/6417/
https://totoya-zerowaste.com/
https://www.vogue.co.jp/article/sustainable-tips-bulk-shop